最深の中にある大きなクリスタル クリスタルを守る、ポケモン達 そして対峙するのは―― 「やれ、"ガイル"」 「承知しました、"ゼル"様」 鈍色が輝き、衝撃が走った ―――――――― ―――――― ――― ― カツラは困惑していた ゴウキは驚愕していた レンは唖然としていた 「ガルガル」 「ゴロゴロニャー」 「キシシシシ」 「ディグディグ」 「ゴルバッ」 「ベロー」 「イワー」 「ズバズバズバッ」 「やっほー皆こんにちは〜!ごめんねー、ちょっと通らせて貰うね〜。あ、そうだ、通らせて貰う代わりに木の実上げるよ。いる〜?」 《だから主、配給のおばちゃんか》 「「「…………(ポカーン」」」 なんだなんだ 何なんだこの状況は ハナダのどうくつに入り、カツラ、ゴウキ、レン、ミリの順番に暗い洞窟に進んで行った四人(刹那は透明になってゴウキの隣りにふよふよと←)。カツラの手持ちのガーディから松明を点けて貰い、ほの暗い光を頼りに進んで行く。所々滑りやすい所や転倒しやすい岩膚や地面などがあり、耳を澄ませば水が流れる音が聞こえる。よーく見渡すと、岩膚には何かが戦った痕跡がありありと残っていた。しかもあちらこちらにある所を見ると、ハナダのどうくつのポケモン達はそれだけ野蛮だと思わせる一面だった 案内役なカツラ、特攻隊役なゴウキ(←)はいつでも敵が出て来て良い様に臨時態勢は欠かさずに前に進む。透明な刹那は回りの滑りやすい所とか関係ない様に浮かんでいる。とても楽そうだ。レンは後ろに並ぶミリを守りながら気遣い、また迷子に遭わせないように手を繋いでいる。ミリはキュッと握り返しながら皆の後を追う そんな中、進んでいたら大きな広場に入った 広場に入り、松明が広場全体に照らされた瞬間に、沢山の野生のポケモン達が続々と姿を現した。眼がギラリと光り、まるで捕食者が獲物を見つけた様な――カツラとゴウキ、レンは互いに背中を合わせ、レンはミリを引き寄せる。待ち伏せされたか、とレンは舌打ちしゴウキとカツラはボールを取り出した。透明になっている刹那も戦闘モードに入る しかしミリはレンに引き寄せられた状態のまま、慌てて三人(と刹那)を止めた。何故、と三人が言い返す前にレンの腕からスルリと抜け出したミリは――目の前にいる沢山のポケモン達に向かって、笑った 「やっほー、こんにちは〜!」 「…何故、シロガネヤマで舞姫が無事で…戦闘に出ただろう俺のジバコイルが傷一つも追わなかった理由が、今理解した気がする…」 「…俺のアブソルも、まるで遠足から帰って来た様なノリでいたぜ。…アレを見れば、確かに遠足気分だよな…」 「シロガネヤマの野生のポケモン達まで…ミリ君は本当に、侮れない…夢でも見ている気分だ」 ミリの登場によって、ギラついていたポケモン達の眼は一気にニコニコと陽気な雰囲気に変わり、ミリが駆け寄り近くのポケモンの頭を撫でてあげれば、自分も撫でてもらいたいとワラワラとミリの回りに集まっていった。小さいポケモンから、大きなポケモンまで。埋もれつつあるミリを、三人は固まって見つめていた(刹那はといえば、一度見た事ある一面だったため驚く事は無かった それからミリを先頭に進み始めたわけが――通り過ぎるポケモン達やら待ち伏せしていたポケモン達に懐かれまくっていたり、それを使って色々情報を聞いていたり…まさに開いた口が塞がらないのは、この事を言う 《…私もアブソルもジバコイルも普通に驚いた》 「そう思うのが当たり前だな。あれは誰だって驚くぜ」 《しかも毎回会う者達に木の実を分け与えるなんて、まるで配給のおばちゃん…木の実が無くなったらどうするんだ。食べる分が無くなってしまうじゃないか》 「(…食い意地張ってる…)」 《しかもいくら分け与えても木の実は一向に減っていく気配は無い。主は減っていると言っているが…近々その謎を解き明かそうかと思っている。黒恋とアーマルドとトゲキッスと一緒に》 「(…いつの間に)」 「(食い意地が張ってる者同士…)」 「皆〜行くよ〜」 → |