「ミリ、頭貸せ」

「え?」



ポスッ←装着



「………イーブイの、耳?」

「頭を傾げて俺の名前呼んでみろよ」

「…………、レン?」(コテン

「〜〜〜〜〜〜ッ!!!」











「何処から入手したんだあんなマニアックな物を…」

《末期だな》





―――――――――
――――――
―――









青い空、白い雲




新鮮な空気が、優しい風と共に私達を包み込む






「ん―!今日も良い天気!ふたごじまに行くには丁度良いね!」

「「ブイ〜!」」
「…」
《ふはー、本当ですね!》
《気持ちが良い空気だ》






自分の家の前で私は大きく背伸びをすれば、足元には白亜と黒恋が私と同じ様に背伸びをしている。蒼華と刹那は新鮮な空気を吸い、時杜は気持ち良さそうに私達の回りをクルクルと飛ぶ

風によってフワリと靡くのは自分の髪と、オレンジ色の服。服に関しては一週間振りだからまだ身体に馴染まない感じがする。カツン、となるのはブーツのヒールの音で、この音を聞くのも久し振り。ポニーテールだって本当に久し振りで、改めてこの場で元気にいられる事が嬉しく感じる






「…気持ちが良い…」






この見上げる空も…部屋の窓から見る空だったり、庭で見る空より、何処か新鮮で…早く空を飛びたい衝動に駆られる

皆もずっと家にいたから、気持ちは私と一緒。白亜と黒恋はピョンピョン!と楽しそうに蒼華と刹那の足元に飛び跳ね、時杜も楽しそうに空中を舞う。蒼華は紐、刹那は尻尾で三匹の相手をしてあげている。うん、器用だ。とにかく早く行きたいと、ひしひしと感じられる

…一昨日シロガネヤマに行ったけど、あそこは洞窟だったからね〜






「ミリ」

「レン!」






後ろを振り向けば、そこにはスイクンを従えたレン。太陽の光が白銀を綺麗に反射し、風が髪を靡かせる。相変わらずイケメン過ぎて眩しい。…なんだかイケメンがもっとイケメンに見えてしまうのは、きっと太陽のせいなんだゴニョゴニョ(ちょっと赤面←

そんなイケメンな彼は…仲間から大切な恋人、になっちゃいました。今でもちょっと信じられない気持ちだけど(何せ恋人になっても今までと変わりはないし)報われない恋、でも本当…夢みたい。…って、いやー恥ずかしい何このカミングアウト!←

大好きな彼に近付けば、レンは優しい笑みを浮かべながら、私を優しく抱き締める。私も腕を伸ばしレンの背中に回してギュッと抱き締め返す。私はこの温もりが大好きで、もうこれがないと安心出来ない自信がある(どんな自信だよ)(ただちょっと皆の前はちょっと…←






「てかお前…そんな薄着で行くなんて、言わないよなぁ…?」

「Σえ、いや、その…あはっ」

「あはっ、じゃねーだろ!まだ熱ある中であんな寒い場所に行ったら余計風邪が悪化するぞ。ったく…ほら、これでも着てけ。本当お前は自分に無頓着過ぎるぞ」

「Σわふっ」






丁度レンが手にしていたふわふわのコートを被せられ、フワッとレンの匂いが鼻をくすぐった。変な声が漏れたのはこの際気にしない

シンオウ地方出身なだけあって、持っている物が違う。本当にふわふわしてて暖かい。でもレンのが無くなると思い、返そうかと脱ぐが…優しくもあり、強引なレンはそれをさせまいとギュッと強く抱き締めてくる。レン、暖かいけど苦しいぞ←






「お前は絶対にそれ着てろよ。時杜の力で行くんじゃねぇんだからな」

「でもこれレンの…」

「シンオウ出身を舐めんなよ?アレくらい、昼なら全然平気だ」

「…そう?えへへ、なら遠慮なくこれ借りるね!んふふ、暖かい暖かい」

「……(何だこの小動物可愛い過ぎるだろ」←ギュゥゥゥゥ…

「Σふぶっ」





「…朝っぱらからハートが見えるのはどうしてだろうな、フライゴン」

「ジジジッ」






何故か力を込めるレンに、うっぷうっぷ状態な私に後ろからゴウキさんのツッコミならぬ冷やかしならぬ感想ならぬ声が入る

振り向く先にはゴウキさん、隣りにはフライゴンを従えていた。相変わらずゴウキさんも逞しくかっこよく(←)隣りのフライゴンもかっこよくグラサンが似合っている(まて






「ゴウキさん!」

「準備は整った、何時でも行ける。舞姫は蒼華の背に乗って行くんだな?」

「はい!久々に皆と一緒に景色を楽しみたいと思って。皆ボールに戻るつもりは無いみたいですし」

「「ブイブイ!」」
「…」
《僕もミリ様と!》
《私は飛んで行くがな》

「そうか。白皇のコートを借りたなら大丈夫だろう。白亜をブースターに進化させて抱えるのも良い手だ。風邪はひくなよ舞姫。それが条件だからな」

「はい!」






昨日、懇願に近い身勝手なお願いを二人は承諾してくれた

二人の心遣いは本当に感謝している。二人が私を気遣ってくれているのも重々承知。昨日なんてあんな姿を見せちゃったから、尚更。今、こうして抱き締められているレンの温もりと、ゴウキさんのオーラから感じるのは"心配"の一文字。分かっているけど、私は強引にお願いをした。二人は私が引かない事を分かっていたのか、(きっと渋々)承諾をしてくれたと思う

その時二人から条件を出されたのは、「体調を悪化させない事」と「無理は絶対にするな」、「勝手な行動は慎む事」。これを破ったら即自宅に運送されるらしい。私は荷物か。そして三つ目辺り絶対根に持っているでしょ二人とも…!(特にゴウキさん






「…白皇、何時まで舞姫に抱き着いているんだ。そろそろ行くぞ、離れろ」

「却下。今補充している」

「Σ何を!?」

「ミリパワーを」





どんなパワーですか





「本当だったらミリと一緒にスイクンに乗る予定だったが今回はコイツらと乗るとか言いやがるからな…ふたごじまに着くまでの補充だ補充。邪魔すんなよゴウキ」

「(そういえば…ショック受けていたような…)」←しばらく落ち込んでいた事に気付かない

「これがお前らが居なかったら軽くキスでもして補充したい所だったのにな。…チッ」

「レンちゃんお願いだから場を考えてそういう事を言って下さいお願いだから」

「…舞姫も大変だな…」








結局蒼華と刹那に強制的に剥してもらいました←

そして一同はふたごじまへ






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