洞窟の中は危険区域指定場所と言われる程に険しいものだった

野生のポケモンは凶暴で、目と目が合ったら殴り合いみたいなどっかのヤクザを連想させる。シロガネヤマの気候と気温は不安定な事もあり寒さが身に染みる。これが普通の一般トレーナーはともかく、腕が立つトレーナーもこのシロガネヤマを攻略するのは難しいのではないか





さて、そんな超危険区域指定場所のシロガネヤマに入ったミリ御一考は一体どうなっているのか









「お、あんな所にヨーギラス!へぇ、ヨーギラス可愛いなぁー。あ!あっちにはバンギラス!親子なのかな?やっほー、こんにちは〜」

「ガルルル」
《あらあらこんにちは。アナタの噂はかねがね聞いているわ》

「ガルル」
《こんなに大勢ひさしぶりー》

「ごめんねー、巣の近くを通らせてもらうね。あ、ねえねえヨーギラスの頭撫でても良いかな?」

「ガルル!」
《なでてー!》

「ガルガル」
《良かったわねー》









結構楽しんでいた









「コホー」
「ゴルバッ」
「ズバズバ」
「イワー」
「ゴロゴロ」
「キシキシキシ」

「お?いっぱい来た来た。みんなこんにちは〜、木の実いる?」

「イワー」
「ズバズバ」
「ゴロゴロ」
「キシキシキシ」
「ゴルバッ」
「コホー」
「ガルガル」

「ブイブイ!」

「はーいそれじゃ並んで並んでー」

《主、配給のおばちゃんか》

「…」
《木の実が終わっても知らんぞ》

「フィー」
《お、あんな所に結晶が》

「ジバジバジバ」
《フラーッシュ》

《ああああいっぱい居て通訳が間に合わないぃいい》






凶暴凶悪と名高いシロガネヤマの野生のポケモンでも、ミリの前ではニコニコと彼女達を出迎えていた。此処まで来る途中でも様々なポケモンに出会ってきたが、彼らと同じ様にニコニコと出迎え、しかも此処では目にしない珍しい道具なんかを分け与えてくれたりと、恐怖の探索が楽しい探索になっていた

それはミリの持つ【異界の万人】の力の影響のお蔭でもあり、蒼華と刹那の特性プレッシャーのお蔭でもあった。彼女達の噂はなんとこんな所にまで広まっていたみたいで、歩けば歩くほど野次馬の様に集まってきた。お陰様で時杜の通訳が間に合わない状態にまで陥った←






「この子達素直で可愛いねー」

《主、それは主だけの前であって他の奴等に対する対応は違うぞ》

「細かい事は気にしな〜い」






実際のところ刹那、そしてアブソルとジバコイルは少なからず驚きを隠せないでいた。アブソルとジバコイルは経験上、刹那は違うが同じポケモンとして、洞窟に入ってきたトレーナーを自分の縄張りに浸入した敵とみなし、攻撃を仕掛ける事はあった。自分の命、自分の家族や守るべき者を守る、それは野生の動物全てにおいて言える事。少なからずアブソルとジバコイルはレンとゴウキの手持ちになる前は、そうして生き抜いてきた。刹那は別として←

シロガネヤマは危険な山。そして野生のポケモンは皆凶暴だ。レンとゴウキの会話を聞いていた為、激しいバトルになるのは想像ついていた

…けど、まさかこんな呑気でのほほんとした雰囲気に流石の三匹もズテッてくるだろう。これがレンやゴウキもいたら二人は絶対に唖然とする事間違ない






「さて、そろそろ記憶の光の欠片を探しに行きますか。……皆〜ちゅーもくっ!誰かこの中で記憶の光の欠片の在処を知ってる子〜?」

「ガルガル」
《それって綺麗に光ってる球体のことかい?》

「!そう、きっとそれだよ!バンギラス、案内お願いしても良いかな?」

「ガルル!」
《任せて頂戴。木の実を貰った御礼も兼ねてね!そしてアナタのお願いだもの、断る理由なんてないわ》

「ガルガル!」
《ボクも行くー!》

「ありがとう、バンギラス。それじゃバンギラスとヨーギラスの案内でサクッと目的達成しちゃおー!」

「ブイブイ!」
「…」
《はーい!》







「フィー…」
「ジバジバ…」

《…主の前だと何でもアリなんだな》






何でもアリなんです





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