「黒恋、舞姫は何処に行った?どうしてお前が舞姫のベットの中に居たんだ。白皇に教えるのが嫌なら俺だけでもいいから教えてくれ」

「おいちょっと待てゴルァ」

「ブ〜イ」





ゴウキの問い掛けに黒恋はガサゴソと枕の下に顔を突っ込む。その間レンはゴウキの胸倉を掴みゴウキも負けじと胸倉を掴み合う。一体何をしているんだコイツらは←

そんな二人に気付かない黒恋は上機嫌で枕の下にある物を口で加える。もぞもぞと顔を上げ、ヒョイッと口に加えた物をゴウキに渡した。ゴウキはソレを手にする






「これは…手紙だな」

「て、手紙…だと…!?」






黒恋から受け取ったソレはシンプルで女の子ウケに良い可愛い白い便箋だった

訝しげに白い便箋を見るゴウキ。誰宛ともかかれていないソレ。口には可愛いイーブイのシールが貼ってあった。何だろうな、そうレンに視線を向ければ…レンは顔を真っ青にして便箋をガン見していた





「…白皇、どうした」

「ゴウキ、その便箋を破り捨てろ。燃やすなり焦がすなりなんなりとするんだ。なんなら俺がソイツを破り捨ててやるから貸せ。今すぐ貸せ」

「……あぁ、なるほどな。この便箋、何が書かれているんだろうな?」

「…俺は認めねぇぞ…!その便箋に書かれている内容が別れ話の内容だったら……ッ!」

「ブ〜イ」





部屋の隅で頭を抱えてズーンと沈むレンの背中を黒恋がしがみつきながらドンマイと尻尾を振る姿がグラフィックの様に出来上がっている

只でさえ自分のせいでミリの機嫌を損ね、しかも当の本人が居ないと知れば流石のレンでも思考はネガティブに走る。ミリの事を想う気持ちが強い為、その分沈んでしまうのはしょうがない

かなり落ち込んでしまったレンをゴウキは溜め息を吐く






「落ち着け。たったアレだけの事で舞姫がお前の元から離れて行くわけないだろ」

「くっ…だったら何だよその手紙は!手紙だぞ手紙!?ノストラダムスの預言よりも恐ろしく見えるぜ!」

「大袈裟過ぎるだろ


 善は急げだ、とりあえず読むぞ」






正気に何とか戻ったレンが見守る中、ゴウキは丁寧に便箋の口に貼ってあるイーブイのシールを取る

便箋の蓋を開き、中から白い紙を取り出す。枚数は一枚だけだ。ゴウキとレンは顔を見合わせた後、レンは頷く。ゴウキも頷くと紙をペラッと捲って中身に目を通した



レンの恐怖が一気に怒りに変わった









「あんの、馬鹿…!!」

「…こうなる事は予想していたが…まさか今此処でやるとは…」

「ゴウキ!ぐだぐだ言わねーで行くぞ!黒恋、お前も来い!…ゲンコツだけじゃ済ましてたまるか!」











「レンとゴウキさんへ



 

 私達だけでも取りに行きます
 二人はゆっくりと休んでね
 
 夕飯には帰ります




        ミリより」













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