三人は目を奪われた





「ブイブイ!」
「ブーイ!」

「フフッ、良かったね遊んで貰って。でも捜したんだよ?勝手にどっか行っちゃ駄目でしょ?」

「「ブーイ」」






木々の間から漏れる日差しに照らされ現れたのは絶世の美女

艶やかな長い漆黒の髪がフワリと揺らめき、優しい笑みを浮べた表情はとても美しい。白いロングワンピースを着た姿は身体のラインを強調し、まるで舞い降りた女神の様な錯覚を覚えさせる。ルビーから離れた二匹を抱き上げるその姿は見惚れるものがあった


三人は目を奪われていた


初めて見る美人もあったが、あまりもの美しさに我を忘れる程に、魅入っていた。こちらに視線を向けクスリと笑った女にドキン!と三人は身体を固まらせた






「この子達を捜していたんだ。ありがとう」

「い、いえ!アタシ達は何も…!」

「フフッ。見た所トレーナーさんかな?その様子からすると…迷っちゃったみたいだね」

「「「う…////」」」






図星を突かれ三人は顔を真っ赤にする

しょうがない、こんな名も知らない美人にそんなこと言われたら恥ずかしくて何も言い返せられない






「あのー、すまんち。この通り道に迷ったたい。よければトキワシティまで案内してもらってもよかと…?」

「出口までの道筋を教えるだけでもいいからさ」

「すみません、お願いしてもいいでしょうか…?」






三人のお願いに美人はクスリと笑って言った






「勿論、良いですよ」









* * * * * *












「貴女はトレーナーなんですか?」

「さぁ、どうでしょうね?」






トキワの森を美人の案内で無事抜け出せる事が出来た三人はそのまま美人の後を着いてって近くの野原に腰を下ろしていた

案内中に既に互いの自己紹介をしていた。彼女の名前はミリといい、マサラに住んでいるらしい。今回トキワに足を運んだら白いイーブイの白亜と黒いイーブイの黒恋が森の中に行ってしまい、捜していたとの事。どうやら二匹は森の中にある木の実をミリにプレゼントしたかったらしく森の中で捜していたと。丁度人の気配がしたらしく、声を掛けようとしたらそこに白亜と黒恋が居たとの事もあり、助かったと彼女は言う

そんな白亜と黒恋の内、白亜はルビーの頭にある帽子を盗み尻尾を振りながらぬくぬくほくほくといった形で頭を突っ込んで寛いでいる。黒恋はエメラルドのクロワッサンが良い具合にフィットしているらしく、同じくぬくぬくほくほくして寛いでいる。ある意味面白い光景に全員は笑った






「トレーナーじゃなかったら…コーディネーターですか?」

「フフッ、それもどうだろうね?」

「(うーん、はぐらかしや何をしても許されるのが美人の特権ったいね)」

「じゃーさ、ミリさんは何やってんの?」

「私ね、今は療養していて絶賛ニート中なんだ。トレーナーとかコーディネーターとかはご想像にお任せだね」

「療養…何処か具合が悪いんですか?(てか絶賛ニート中って」

「今は介抱に向かっているんだ。だからこうして外に出れる様になったんだ」






確かによく見てみるとあまり体調が優れていない様子が伺える。弱々しい、とも取れるミリは少し疲れも見え隠れしている






「…大丈夫ですか?」

「ミリ姉ちゃん、顔色さっきと違って悪いったい」

「そろそろ帰った方がいいかもよ」






ミリの容態を心配し声をそれぞれ掛ける三人にミリは苦笑を…いや、引きつった笑みを零した






「いやぁ、やっぱそう見えちゃう?困ったなぁ…こんな状態であの人に見られたら余計な心配かけちゃ…」

「安心しろ、もう掛かっている」

「「「!?」」」

「…あ、ヤバっ」

「よぉ、ミリ。捜したぜ」








四人の後ろに現れた青年の顔は笑っていたけど笑顔が引きつっていた(ミリも顔が引きつった






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