「うぅ…外に行きたい」


「ブイ〜…」
「ブイブイ〜」


「うぅ…外…グズン…」


《これは…精神的にも参ってますね、ミリ様…》
「…」







かなり暴れに暴れまくってから約数時間後




後悔してます


暴れたぶんの不調がどっと身体にやってきちゃいました






「うぅ…」

《ミリ様、布団を掛けてないと風邪ひかれますよ》

「えぇー、やだ…」

《風邪が悪化でもしたら…帰って来たレンさん達がまた怒りますよ?》

「それもやだぁ…」







ただベットから出て外に行こうとしただけなのに、あんなに大騒ぎしなくても全然大丈夫なのに(ジョーイさんまで駆け付けて来た時はどうしようかと思った

結局は皆の押しと言う強制でしょうがないから安静にしてはいるけど…


………うぅ…







「(動かないと、いけないのに…)」











ヤル気が起きない


身体が怠い


布団の中にずっといるせいで腰が痛いし身体が重い



動かしたくても、動かせられない









声を発するのも、めんどくさい





心配そうにこちらの顔を覗き込む時杜に笑いかけるのも、蒼華の頬を撫でるのも、白亜と黒恋のお菓子の心配も






全てが全て、メンドクサイ




そう、全てが








――動かないと、本当に動きたくないと思っちゃうのが困るよ





本当に












「…」
《水分補給した方がいい》

《何か食べ物口に含んだ方も…》


「…要らない」










原因は、もう分かっている










来ると思っていた



こういう、時期を







まだ、大丈夫だと思っていた





でもやっぱり、身体は正直だった










「(来る…)」










【私達】、【異界の万人が】







最も一番強くなり




最も一番、弱くなってしまう時期












「(後、幾つ過ぎたら…姿を現すのかなぁ










 ――"紅い満月"は)」













あぁ、サイアクだ



まさかこんな時に…







レンやゴウキさんや刹那が頑張っている時に、こんな調子でまさか役立たずになっちゃうなんて…






あぁ、サイアク




不甲斐ない










"力"は、もう限界だ




視力にいっていた、力


でも身体全体に補える気力も体力も残っていない







――本当に、足手まとい















「ブイ…」
「ブイブイ…」
「…」
《ミリ様…》


「そうだよね…皆には一度、説明しないと、ね…」


「「ブーイ?」」
「…?」
《……?》


「私の話を聞いたら…お願い、しばらくは…私をそっとして頂戴…私が本当にヤバくなったら…私に、近付かないで欲しい」












じゃないと、皆を傷付けてしまう












コクリと頷いたのを見て、私は長い時間かけてゆっくり口を開いた





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