「もらったぁああああ!」 「Σくっ!…やはり負けてしまったか…っ」 「フッ、ざまぁねーなぁゴウキ。鍛えまくったせいでお前の脳味噌まで筋肉になってんのはお見通しなんだよ。トレーニングするなら脳トレもしろ さあて、ミリ!喜べ!一緒に寝れるぞ!」 「(大人気ねぇええ…!!!)」 夜は勝負事で朝日を迎える (因みに今回は大富豪) ――――――――― ――――――― ――――― ――― ― 『……もう、この場には逢わないだろうと思っていたが…まさかだ、まさかまた此所で貴女と逢えるとは思わなかった』 暗闇に輝く五つの光 光の前に居る、一人の女 『まさかだと思うが…また、貴女の身に何かがあったのか?』 「―――――」 光は問う しかし、女の口が動いても声と言う声が聞こえてこない 女は言葉が出ない事に気付いたのか喉に触れる。どうやらこの空間では言葉を交わす事が出来ないと分かったらしく、光を見る表情が暗くなり、次には苦笑を零した でも光の問いには答えたいらしく、首を横に振った 『そうか…、しかし安心は出来ない。前にも言ったが此所とあっちとでは時間の流れが違い過ぎる。それは、分かっただろう?』 「―――(コクリ」 『貴女が何の為にまたこの場に踏み入れたかは分からない。…帰った方がいい。俺はまだ大丈夫だ』 暗闇は時間感覚を狂わす 此所が数分だとしても、あっちは何時間…否何日間経っているか、分からない 光はその事を知っていた 女も勿論知っていた それでも此所に来た、という事は何か重要な事があったのか…光に逢うだけで、無謀な事をしたのか 「―――…‥」 女は微笑んだ 何処か哀しそうな、申し訳なさそうな、そんな笑みを浮かべていた 何故、そんな笑みを浮かべるかは分からない 名前を呼ばれたのは口の動きで分かった 言葉を伝えない代わりに、女はゆっくりと口を動かした 一つひとつ丁寧に、相手が解る様にゆっくりと 「ごめんなさい…」 女は微笑みながら、暗闇に溶け込む様に消えていった その笑みは、先程と変わらない哀しそうな申し訳なさそうな、微笑 光はゆらゆらと揺らめきながら、女が消えていくのを只静かに見つめていた 『やはり…結局、彼は選んでしまったか。絶望に墜ちてしまう、その道を』 光は分かっていた 女の言葉で、全てを 何が言いたいのか、女が浮かばす表情で――理解を、してしまった 『なら俺は賭けよう。彼が絶望に堕ちてしまった時、彼を救ってくれる一筋の光に 【聖燐の舞姫】――全ては貴女にかかっている』 リーン… 何処からか懐かしい鈴の音が聞こえた → |