「ブイブイ?」
「ブ〜イ?」


「………(苛々」


ガシッ


「ブイーーーーーッ!?」
「ブイブイ!?」

「……(苛々」






「……舞姫、白皇は一体何があった?」

「…さ、さぁ…?」










清々しい朝を迎えた私達は今、部屋のリビングでそれぞれ寛いでいた

朝食を既に終えているので、後は何時でも出発出来ている。今このリビングには私とゴウキさんとレン、そして白亜と黒恋。後の皆はボールの中でそれぞれ一休みをしていた




ポケギアを操作していた私に、ボールを磨いていたゴウキさん。…しかしレンの方は何もせず、珍しくびんぼー揺すりなんかして空を眺めていた(貧乏揺すりっておまっ

ただ黙っているならまだしも…見ているとなんだろう、イライラしているのが目に見えていた。ゴウキさんもレンの様子に気付いていた様で、何も言わなかったがこちらに視線を向けてきて、「なんだ白皇の奴」とでも言っているんだろう(てか絶対そうだ

その時運悪く、レンの様子がおかしいと気付いた白亜と黒恋はレンの膝の上に乗って様子を伺ったのがいけなかった。…いきなりレンは黒恋の首根っこ掴んだじゃないか!突然の行動に驚きと痛さで悲鳴を上げる黒恋の叫びが、響いた(なんなんだ!





「(…気の流れが荒れている)…奴は寝不足か?」

「(オーラがいつもと違って荒れている…)ゴウキさんの言う通り、寝不足でしょうか…?」



「(イライライライラ)」

「ブィイイイイ!!(泣)」






突然のレンの行動に驚きを隠せない私達。考えている事も実は一緒だなんて私達は気付かない(オーラと気は似ているから


今もなお黒恋の叫びは続く。膝の上に乗っている白亜がすっごくきょどっていてどうしようかと迷っている(そりゃそうだ、好意を寄せている人がいきなりこんな事をしてきたらびっくりする


…流石に黒恋を投げ飛ばそうとしたレンに私は慌てて黒恋を取り上げた






「はいそこまで、ストーップ!」

「ブィイイ(泣」

「あー痛かったね黒恋。でももう安心だからねー」

「ブィイイイイ!!(大泣」






黒恋を抱き上げていい子いい子してあげれば黒恋は痛みで涙を流しながら胸に擦り寄ってきた(可愛いなぁ!)。後ろから舌打ちが聞こえたけど、気のせいにしといた←

とりあえずボールに戻ってもらおうと、私は白と黒のボールを出して二匹をボールに戻す。ボールを手から消した私は、苛々絶好調なレンに振り返った






「ちょっとレン?何があったか分からないけど八つ当たりは駄目でしょ?」

「………」






腰に手を当てて人差し指をトン、とレンの額につける私の姿はまさに幼児を怒るお母さん←おい

対するレンは空を見上げていた顔をこちらに向ける。レンの顔を見て……私はある事に気付く






「レンちゃーん。…眠い?」

「……………」

「(あ、眉間に皺が寄った)」






どうやら私とゴウキさんの予想は当たっていた。視線をチラッとゴウキさんに向ければ、小さく溜め息をつく姿が見える(あちゃー、呆れてる


……珍しい、いつもなら睡眠を必ずと言って良い程とって、この時間はいつも元気ピンピンなのに…(私とゴウキさんと違って朝は睡眠を取るレン)(逆に私はプチ眠い←




……ん?そういえば…








「レン…何処で寝た?」

「…部屋で寝たぜ?」

「へ、へぇ〜」

「…?」






あっはー…なるほど


原因、分かっちまったぜ







「(考えてみれば今日ベットにレン居なかったなぁ…)」







私のせいでレンが精神的不安定になってから昨日まで、ずっと一緒に眠っていた(恥ずかしいけど!恥ずかしいけどね!

理由は分かっている。私が居なくなるという不安から起こる現象で色々な事があったから一緒に寝る事になった。しょうがないとは思っているけど、それがレンの為ならこれくらいどうって事はない



…実際に私が居ると居ないとでは、睡眠が全然違うらしい。なにせ私が早く目覚めてベットから降りた時には僅差で目が覚めてしまう位だ。…私が居なかったら、多分寝れないと思う


昨日は…レンに話しかけられた後の記憶がない。ベットに居たという事は、運んでくれたんだろう。…唯一記憶に微かにあるのは「今猛烈に困っている」という台詞…





チラッとゴウキさんを見る

ボールを磨き続けているが、私の先程の質問に疑問を浮かべている、…って所だろう。…ゴウキさんはレンの容態を知っている様で、知らない。そんな感じがする



…あぁ、納得

どうせレンの事だから、「ゴウキに一緒に寝ている姿なんて見せられねぇ」とか言って無理な事を分かっていながら意地張ったんだ







「…ゴウキさん、タンバの出発は昼過ぎからでも大丈夫ですか?」

「…あぁ、昼過ぎに言ってもスイクンの足で行けばすぐだ。何も支障はない」






何も聞いてこないゴウキさんが正直有り難かった。容態を言うのは簡単だけど、それはレンが言う事であって安易に私が言っても良い立場なんかじゃない

それにゴウキさんも薄々気付いているんだ、いずれは知る事になるでしょう






「だってよ、レン!」

「あ…?」

「一度お昼寝するよ!」










私はレンの腕を掴んで無理矢理部屋に連れて行った






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