「え、えっ、ちょ…Σええええええええええ!!?」 《トゲキッス!?》 《!》 「…!?」 突然現れた第三の攻撃は真っ直ぐにミリとゴウキ(むしろゴウキ)に向かって放たれる。はどうだんは真っ直ぐにこちらにやって来て、しかも避けられない技な為、ミリとゴウキの前に蒼華が壁となって攻撃を受ける事になった 「蒼華!」 「エラスラッシュ!」 「!?」 今度は見えない風の刃が襲いかかった 風の刃は無惨にも蒼華を切り刻み、蒼華は苦しそうな声を上げる。それもそのはず、さっきのはどうだんで水タイプが格闘タイプに変わり――そこに飛行タイプのエアスラッシュの技が加われば効果は抜群 急所に当たってしまったらしく、勢いに負け蒼華は後ろに吹き飛ばされてしまった。岩壁に激突した蒼華はグシャッと地面に叩き付けられてしまう。慌ててミリは蒼華に駆け寄ろうとした矢先――時杜の叫び声が木霊した 「時杜!?」 空気の刃がまた新たに降り懸かっていたらしい。今度は無慈悲に時杜の方に襲いかかり――時杜もまた、後ろに吹き飛ばされてしまった 小さい小柄な身体は蒼華と同じ岩壁に激突し、地面に落ちる。急所にまたもや当たっていたらしく、不意打ちの事もあって時杜は目をクルクルと回してしまっていた。慌てて蒼華も見れば――蒼華も、ぐったりと横たわっていた 《蒼華、時杜…!》 「エルレイド、ふいうち!」 《ッ!》 今度は空からエルレイドが急降下をしてきた。エルレイドは真っ直ぐに刹那に向かっていて、自身の刃に近い拳を振り上げる エルレイドの存在に気付いた刹那は具現化した武器で応戦しようとしたが、空からの急降下でスピードが速くなっていたせいもあり、刹那が武器を振り上げるよりも先に懐に潜り込み、拳を刹那の胸元に叩き付ける かはっ、と刹那は声にならない声を上げる。エルレイドは拳をそのまま振り上げれば刹那は簡単に吹き飛ばされてしまった。蒼華と時杜と同じく岩壁に激突し、しかもまた急所に当たってしまったらしく――やはりぐったりと、起き上がる事はなかった 「刹那!」 「やっぱ伝説や幻でも不意打ち食らって急所に当たっちまったら終わりだな」 「――!?」 いきなり現れた第三者にミリは何事かと空を見上げる …いや、ミリは相手が誰か、もう既に分かっていた。分かっていたからこそ、そんな馬鹿な、と信じられない気持ちでいっぱいだった 見上げた空に浮かぶのは、トゲキッスのシルエット。太陽が真上にある関係上、こちらからは逆境で相手の姿は見えない。しかし、太陽の光で反射された白銀の髪が嫌に輝きを増し、ピジョンブラッドの瞳がこちらからだと妖しくも妖艶に光った 「よぉ、ミリ また会えて、俺は嬉しいぜ」 ミリの顔が真っ青になった → |