『臨時ニュースをお伝えします。エンジュシティ郊外の麓付近にて巨大な竜巻が現れました。巨大な竜巻はしばらく渦を回していましたがしばらくした後活動を止めました。近隣にいるトレーナーの皆様には充分の注意を促すと共に、気象衛星ではこれを――…‥』






「マツバ!見に行くぞ!私のスイクンセンサーがあの竜巻に反応している!」

「君のその前髪はスイクンセンサーだったのか!?」




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白銀の麗皇、レンは



白銀を揺らしながら紅い空間の中に入り、そして消えていった








《ミリ様、これで宜しいでしょうか?》

「時杜、ありがとう」






レンが入ったのと同時に、ゆっくりと空間が閉じられていく

白銀が消えていくまで、ミリはずっと紅い空間を見つめていた。空間を閉じた時杜はテレパシーでミリに話しかける。ミリは微笑んで頷き、視線をゴウキに向けた






「ゴウキさん、次は貴方の番です」

「ッ…」

「無駄な抵抗はしない方が良い。時杜、」

《はい》






退こうとするゴウキを刹那が具現化されたスプーンをナイフに変えて、首もと寸前に当てる。刃物を当てられている緊張感と刹那が起こすプレッシャーがゴウキを襲う

動きたくても動けずに冷汗を流すゴウキに、時杜はゆっくりと近付いていく






「…聖燐の舞姫、俺も敗北した身だ。潔く負けを認めるが…聞きたい事がある」

「……奇遇ですね。私も貴方に聞きたい事があったんですよ」






ミリは静かにゴウキを見据え、ゴウキも静かにミリを見つめる

ふよふよゴウキに向かっていた時杜は、二人を見比べる。しばらく考えた後、時杜は刹那の頭の上に乗った。刹那は時杜に気付き、時杜はペシペシと頭を叩く。言いたい事が分かったらしく、ゴウキに向けていたナイフを下ろした

プレッシャーと緊張感が解けたゴウキは小さく息を吐く。そのゴウキを一瞥した刹那は数歩下がる。どうやら話をさせる余裕を与えてくれたらしい。ゴウキは刹那に視線を移し、そしてミリを見上げた

まず一つ、とゴウキは言う






「聖燐の舞姫、及び刹那と名乗るミュウツーよ。お前達がそれほどにまで白皇の前に立ち塞がる理由…先程の台詞を踏まえながら考えると……"ある事件"に関係していて、その先の真実を白皇が知ったら絶望する、そういう事か?」






ミリは答えない

刹那も、時杜も、蒼華も答えない


否定もしなく、沈黙が広がる






「無言は肯定と受け取る」

「……」

「…そしてその事件に関係している共通する者が一人、いるだろう?








 ――ナズナという、男を」


「!!?」








衝撃が走った





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