早朝。ポッポの鳴き声とポッポが羽ばたき始める時間帯

丁度皆がのそのそと目を覚まし活動を始め様とする時に、私とレンはジョーイさんに今までのお礼を含め別れの挨拶をして、コガネシティを出発した






「レン、今日は何処に行くの?」

「まずエンジュシティに行ってからだな。そこからタンバかチョウジに行く訳だが…ミリ、両方ともジムあるがどっちがいい?」

「近いのはチョウジだよね?…でも、チョウジのジムリーダーって行方不明らしいって聞いたけど…」

「…そういえば、確かに俺がジムに行った時は閉鎖になっていた記憶があったな…。どうせ今行っても同じだろうな」

「そっか。なら行き先はタンバに決まりだね」









蒼華やスイクン、そしてトゲキッスには乗らずに、自分達の足で進んで行く。たまにはここういうのも気持ちが良い気がする

早朝なのであまりトレーナーは見掛けないし、ポケモンも全然姿を見せないのでとても歩きやすい。ポケモン勝負も挑まれないこの平穏な空間が、なんだかすっごく懐かしい感じがする

歩きながら手足の準備運動をしてみる。うーん、ずっとスリッパ生活だったからブーツが逆に慣れないぞどうしよう←






「今日は絶好の旅日和だね」






…最近はポケモンセンターの手伝いばかりで、なおかつセンターから一歩も外に出られなかった(出してくれなかった)ので、これこそまさにシャバの空気!と言いたくなる(←)。

空を見上げ深呼吸しながら(頭上を飛ぶポッポの数を無駄に数えながら)笑う私に、隣りでポケギアをいじっていたレンもフッと笑う






「お互いの旅復帰の日が天候悪くなくて本当良かったぜ。今日は天気悪くなる心配は無いだろうし、のんびり行けば良い。…特にお前の方はあまり無理は出来ないからな。分かっているよな?」

「分かっているって。大丈夫だよそれくらい。…そっちこそ、無理は禁物だからね」

「あぁ、分かっている」







私はもう元気ピンピンピン子ちゃん(おい)だからまだしも、レンの場合は症状は落ち着いているとはいえ全然治っていないんだから(だからヒヤヒヤする)、私の事より自分を労って貰いたいマジで

隣りで静かに笑うレンを見る限りは、今のところは平気と見る。今日はまだフラッシュバックは起きていない…でも、旅の最中に来ちゃったら大変な事になりそうだ

心配そうな顔をしていたらしく、私の顔を見てレンは私の額にでこピンを食らわしてきた(でも痛くない






「そんな顔をするな。…安心しろ、今日は調子が良いんだ」

「レン、何か体調が悪くなったらすぐ私に言ってね。…落ち着かせる事しか、私には出来ないし」

「お前がいるだけで充分だ。ミリがいれば、それだけでいい」






シレッと、断言したレンに私は「そっか、」と返事を返す

…が、しばらくしてボッ!と顔を赤くしてしまう






「(…無自覚…!)」






最近のレン(いや、多分前からもそうかも)は、本当にさらりと恥ずかしい事を言ってくる。こんなイケメンに言われたら絶対大半の女性の方は落ちそうな…そんな事を、マジ顔で言ってくるもんだからもう恥ずかしくてしょうがない。てゆーか正直レンのフラッシュバック時点で恥ずかしい。猛烈に恥ずかしい。抱き締めるならまだしも、キスの嵐を降って来た時なんて皆の前とかにやってきた時は羞恥で死にたくなったし(皆優しいね。すぐに隣りの部屋に移動したよ)(助けろよ!)

そ、それにあの日からマジでくくくく、口でふふ塞いで来やがるし……!!(悶絶)さ、避けようにも避けれないと言うね!もう諦めたけどね私!とゆーか私なんかよりも他の人にやるべきだとおm(ry






「(はぁ…)」






なんかもう…

私だけうだうだ恥ずかしがっていたりうだうだ考えているのが馬鹿らしくなってくるよ…(遠い目


……この際私も仕返しの如くに何かしでかしてみるべきだろうか←←













当の本人は呑気にポッポの軍団の数を数えていた






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