「数週間前に自然公園のバトルで、漆黒の王子様とお姫様の事覚えてる?…なんとそのプロマイドをゲットしちゃったのよねー!見てよこの顔!この真剣なまなざし!王子様の凛々しい姿にお姫様のこの腰のライン!…頑張って並んだ甲斐があったわ…!」

「えーーー!?いいなぁ〜!私も噂では聞いていたのよねぇ…!ねぇねぇ!それ何処に売っているの!?私今すぐ買いに行ってくるわ!」

「いいわよ!コガネシティの地下通路に売っているわ!…私も行って他にも買おうかしら!行きましょう!」

「えぇ!」









「コガネの地下通路、か。よし、俺ちょっくら行ってくるぜ」

「ちょっと待て」





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今日は、晴天



心地よい朝日が、部屋を明るく照らす









「…その服、久々だな」






ドアに背を預けながら、フッと笑いレンは言う


私はレンに振り返り、クスリと笑う








「最後に着たのはあの事件の前だったからね……。ねぇ、今更だけどこの服似合ってる?」

「あぁ、似合っている。…その服はきっとお前にしか着こなせないと思うぜ?」

「ははっ、それは嬉しいね。…レンも、その姿を見るの久々な気がする。考えてみれば、その服を着ているのを見たのは経った二日しかなかったもんね」

「そうだな」






黒いワイシャツ、黒いネクタイ、黒のズボンに黒のベスト

レンの白銀の髪が、黒によりより一層際立てる






「最近は結構ラフな恰好ばっかだったからな。久々の旅はビシッと決めねーと。しかしやっぱこの服が落ち着くぜ」

「私も。最近は病院服とかだったし、やっぱり久し振りの旅はビシッと決めていかないとね」

「ミリ、髪は俺が縛る」

「お、ありがとう」






髪を縛ろうとした手を止められ、櫛とゴムが奪われる。レンに背中を向けると、レンの大きな手が私の髪を持ち上げる。慣れた手付きで髪を上げるが、少しくすぐったい

しばらくすればポニーテールになっていて、しかも上手くて縛ってあるから逆にびっくりだ。鏡に写る自分の頭をマジマジ見ていると、私がおかしかったらしくレンは吹き出した(酷






「ありがとう、レン」

「どう致しまして。…さて、そろそろ行くか」

「えぇ」







手を差し出してきたのでその手を取って、立ち上がる

その時、互いに付けていた白銀とオレンジの腕輪が、キラリと光った









二人が出て行った部屋は、嘘の様に静まり返っていた






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