あの温もりが心地よいと思ったのは、何時の日からだろうか。まるでずっと昔から知っているその温もりは、確実に己の内に宿る力を安定させていた。不思議な事に、力の関係で熱が生じていた体温が平熱に戻りつつあり、視力も少しだが戻ってきている。しかもレンと一緒にいる時にそれが多く、またレンと一緒にいると安心している自分がいた






「レンの姿が見えんな…ミリ姫居る場所レンがいる、と思っていたんだが」

「レンなら部屋に戻って旅の再確認してますよ。明日の早朝には此所を出るつもりなんで」

「良かった、旅が再開する程回復出来て。レンもきっとルンルンと鼻歌歌いながら引っ張って行くに違いないよ」

「あはは、なんか実際に有り得そうですねそれ」






あの日、初めて己の内を暴露し、初めて唇を奪われた

その日を境に、ミリに対するレンの求め方が膨れ上がってきていた。独占欲が強い、と言うべきかミリの回りで戯れるポケモン(特に♂)をすぐさまボールに戻したり(自分の手持ちと黒恋など)、ジョーイの手伝いとして対応していたトレーナー(特に男)に分かりやすい程の警戒心を露にさせたり(ジョーイは呑気に笑っていた)。とりあえず気のせいだと思っているミリは中々のスルーの持ち主だ←

ミリに抱き着いたり頬にキスするのはもう日常茶飯になりつつある。ミリ自身仕方無い事だと理解しているので抵抗は多少見せてもあまりしない(役得とか思っていたりいなかったり)。最近に至っては一緒に寝る始末だ。(…)これには色々理由があり、夜になると何故かレンの精神は荒れるらしく、夜はミリが居なくなるという気持ちが強くなってしまうらしい。本人はそんな事ないと理解しているのにも関わらず身体は勝手に動き、翌日になり目が覚めたミリの隣りにはレンが覆い被さる様に寝ていて、センター中にミリの叫びが木霊した事が(何度か)あった。(紅葉が無いだけまだ救われているレン←)どうするか、と打開策を考える二人に《一緒に寝れば良いんじゃないんですか?》の時杜の爆弾発言投下言葉にレンは大賛成し、大反対するミリを押し切って――現在に至るという

始めは抵抗していたミリであったが、妙に落ち着き温もりが心地良くて最終的にはどうでも良くなってしまったらしい。ベッドもそれなりに大きいので心配する事なく、ミリは久々に熟睡出来る日々が続いた。同じくしてレンも腕の中にミリがいる、という安心安堵でいつしか精神も安定してくれたお蔭で夜もぐっすり寝れて一石二鳥!…らしい(理由は敢えて伏せる



…此所まで説明しといてアレだか、けして二人にはやましい事は無い






け し て



ケ シ テ




KE SI TE









 し


  て(黙





…ただ最近の悩みに関しては、起きないからっていきなり口塞ぐのはどうかと思う…と呟くミリにどっかのバカップルの台詞だと突き付けてやりたい






「その様子だと休憩中って事になるのかな?」

「はい。とりあえず忙しい時間帯を手伝う様にはしていますよ。先程ジョーイさんから休憩…いや、上がってもいいと言われましたので」

「そうか、無理は禁物だしな。……おぉ!そうだ!レンがいない今少しこの場を離れて三人で何処か散歩にも行かないか?」

「良い提案だよ、ミナキ。うーん、ここら辺で良い散歩場所は自然公園位しかないけど、そこは止めとくにして…ばっちし変装しているし、三人でコガネデパートに行くのも有りだよね」

「よし!そうと決まればすぐにでもデパートに行こうじゃないk」

「勿論そこには俺が居る筈だよなぁ?」

「「Σギャアア!!?」」







のっそりと、二人の肩に腕を回して現れたレン。ニヤリと笑う顔が若干黒いのはこの際気にしない←

耳元から聞こえて来た声と肩に回された腕にマツバとミナキは冷や汗を流す






「ひ、久し振りだな!」

「げ、元気そうで良かった!」

「電話ではさっき振りだな、ミナキ、マツバ。…で?俺にも詳しく話を聞かせてくれるよなぁ…?」

「はっはっは、何の事だか私には分からないぞ!」

「僕も忘れちゃって分からないなぁー!」

「フッ…マツバ、ミナキ







スイクンのぜったいれいど、食らいたくねーよな?」

「「すんませんでした」」






果てしなく恐ろしい光景だ






「フー」
「ブーイ」

「アブソル、黒恋、護衛サンキューな。……ん?この二人が出会い頭に嫌がるミリに抱き着いて鼻息荒くして頬ずりしたりしかも抱き締めて堪能していた、程のセクハラ行為をミリにしでかしていただと…?」

「ちょっと待て!その鳴き声でどうしてそこまで言われなくてはならんのだ!いや、実際にはそうだが!そうだが!!」

「そうだよ、聞き捨てならないね。確かに抱き着いて頬ずりしたのは認めるけどそこまで人間終わっている様な事はしていないさ。変態じゃあるまいし。僕はお兄ちゃんとしてだね!……まぁ実際に堪能したのは事実だけど」

「よし、アブソルあの二人に一発かまいたち。黒恋、お前もあの二人に続けてかまいたちだ。…奴等を切り刻ませろ!!」

「ヨノワール、まもり!」

「弾き返せスリーパー!」











「元気だ……」

「ミリさーん、ごめんなさい少し手伝いお願いしてもいいですかー?」

「あ、はーい!」







皆、元気だった←





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