〈ジョウト地方のニュースをお伝えします。一昨日午後に起きた自然公園の事件で、行方を探していた容疑者三名が昨日の夕方過ぎに自首をして来たとの情報が入りました。三人とも『調子をこきました。反省しています』と容疑を認めているとの事です。警察は詳しい話を聞くと共に――‥〉






「物騒な事になってんだな〜。近くにいたから野次馬になって行きゃよかったかもなー。ポケスロンで稼ぎながらチラッとね」

「でも自首してきて良かったわ。被害者の方、未だ意識を取り留めていないそうね。大丈夫だといいんだけど…」





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ミリを繋いでいた酸素マスクが外された。大袈裟に近かった器具も外され、心拍数を刻んでいたであろう音が、一気に無音になった



ベッドに眠るのは、ミリ


顔色は殆ど良くなり、酸素マスクを必要とせずとも安定した呼吸で眠っている。点滴も必要ないと医師から判断され、右手首には点滴の名残が残っている

死んでいる様に眠っていた時と比べて、寝返りをする様になった。手を握ればそれなりに反応を返してくれる。ここまで回復出来たなら、上出来だろう。後はミリ本人が目覚めるのを待つだけだ





「…………」





ベッドに腰を掛け、先程からミリの手を握り続けているレン。時にキュッと少し力を込めてみたり、手の甲を撫でてみたりもしている

それでも多少反応してくれるミリの手に、レンはまた安堵の吐息を漏らす






「……………」






今度は腕を伸ばし、ミリの頬に触れる

血塗れで倒れていた時に触れた時は背筋が凍る程冷たかったと言ってもおかしくはなかったその頬は、今は血が通っていて温かい。紫に近い唇も瑞々しい色に戻っている



それでも、レンは安心出来ないでいた









「…凛々しいお方、お願いよ!あの子はあなたには心を許している。あなたなら、あの子を光に導かせる事が出来る…!これ以上、あの子の闇を深くしてはいけない!笑顔が仮面に変わる前に、あの子を…!」















コンコン、とドアを叩く音が聞こえた

「失礼します」、一声かけて部屋に入って来た者にレンは視線を向け、立ち上がる






「お待たせしました、レンさん」

「よろしく頼む、ジョーイさん」

「はい」






今日は酸素マスクを外されたと同時に、病院からポケモンセンターに移転される日でもあった











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