〈ジョウト地方のニュースをお伝えします。昨日午後過ぎ、コガネシティ付近にある自然公園にて重傷を負う被害が起きました。被害者は二名の女性で、一人は軽い打撲、もう一人は出血多量の重傷を負いました。回りにはポケモンバトルをしていたらしく、ありありと痕跡が残っていたそうです。重傷を負った女性は以前目を覚ましてはいません。警察はこの事件の真相を追求すると共に―――…〉







「へー、物騒な事が起きてんだな〜」

「レッド、そこにある醤油を取ってくれ」





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暗闇の中、一つ





包み込むのは、自分の闇









闇の中で佇む私





慣れた光景







私自身の、闇












あぁ、私は何をしたんだっけ?











記憶が、曖昧




そもそもこうして自分の闇が目の前に広がる時点で、自分が今どういう状態にいるか簡単に想像がつく





―――分からない













まぁ、いいや



こんな事、慣れている




この闇も、この状態も





結局、私は一人




















まぁ、そんなことよりも







さっきから、五つの光が私の回りをグルグル回っている




ビー玉位の小さな光


柔らかい、優しい光が暗闇の中唯一私を照らす






この光は、何―――?




















『やっと、逢えた』











突如聞こえた男の声



テノール声の、優しい声












『貴女とこうして会話するほか、今の俺には成す術は無かった』







男の声が、響く








「貴方は――誰?」












私は呟く



五つの光に、問い掛ける







光は、答える








『俺の名前は―――ナズナ









聖燐の舞姫、此所まで俺の欠片を集めてくれた事――感謝する』














光が、微笑んだ――――









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