(血表現注意)








「あなたってどうしてそんなナイスバディなの?」

「…いきなり過ぎますリランさん」

「どうしてそんな姿をしていて、あなたはモデルや芸能人になってないのかしら。それかコーディネーターの道に行っていないのが不思議だわ。……あなた、歳幾つ?」

「17ですけど…」

「…見えない。23かと思っていたわ」

「…私、老けて見えますか?」

「老けてるとかそういうのじゃないわ。あなた、結構英才教育とか受けていた?落ち着いているし言葉も丁寧で雰囲気がそう感じてしまうのよ」

「(英才教育とか何ソレー!)…買い被りですって。…あぁ、それでもへこみますよ17なのに23だなんて…。6も違うんですよ歳の差が。皆に言う度にいつもいつもいつもいつもいつも…あぁあああ諦め通り越して殺意が湧きますよ」

「良いじゃないの、凛々しいお方と同い年なんだから。釣り合っているわよ?ちゃーんと」

「(…何故そこでレン?てかどうしてこの人レンの歳を知っているのかな…?)」








「レン、一つだけアドバイスだ。女性の歳を見た目で判断し、それを軽々しく口走ってはいけないぞ。怒るかヘコむか悲しむぜ」

「……(汗」←実行済みな奴



―――――――
―――――
―――









女同士の会話は盛り上がる

それはどんな内容でも話が合えばそれはそれは盛り上がる

特に盛り上がるのは異性の話

それなりの歳になればその話になると数時間ぶっ通しで止まる事なく話が盛り上がる。自分の話だったり、相手の話だったり…恋バナは世界共通語と誰が言ったのか







「私とレンは、貴女が考えている関係ではありませんよ」







様々な世界を渡り歩いた私には、恋なんて程遠い話


気になる人が出来たとしても、人を信じられず人を否定する気持ちが勝り、突き放し続けていた私

それは昔の【私達】が人間の醜さに絶望していたからもある





私は、紫蝶美莉は、

そういった経験はまだ無いから、まだ人を信じられる気持ちはあったとしても…本当に信じられるかどうかは、分からない





ましてや恋だなんて


恋愛なんて






そんなものをして、いざ別れが来てしまったら――私は振りほどけるだろうか






恋という、呪縛から


愛という、束縛から






「レンと私は仲間みたいなものです。大切な仲間です。……悪く言えば利害一致の関係なんですよ、私達は」






人間なんて、そんなもの

人は誰しも自分にとって利益になる事だけを考えている。そんな事は無い、と誰かは否定するかもしれないが、頭の片隅には考えているものだ


ある意味、その方が気楽なのかもしれない






「――だからリランさん。私の口から色々聞いてもあまり無意味な事ですよ」

「…………聖燐の舞姫」

「はい」

「あなたは、本当にそれで良いの?」







あぁ、その同情の色を写した瞳

止めて欲しい、本当に





――私だって、好きでこう思っているわけじゃないのに








「――愚問ですね。そんな事、聞いて何になるんですか」








あぁ、笑える



自分が恋?







他人の話は好きだ


でも自分は有り得ないと分かっているから






――――滑稽な話だ











「あなたは、人を信じられないみたいね」

「………」

「人間不信、て言った方がいいかしら?……人当たりが良さそうに見えるけど、…人は見掛けによらないのはこの事を言うのね」

「…………」

「…あなたの事については私は何も聞かないわ。私達は私達の道がある。お互いトレーナーから離れればそれこそ無関係よ。あなたが実は人間不信だったとしても、私には関係無い話」

「………」






リランは気付いている


きっとフィンも気付いている




私が人間不信だという事を



私が人間嫌いだという事を







「でも、彼は違う」

「…………」

「彼はあなたといる限り、色々聞いて来るでしょうね。今あなたは彼との関係を利害一致の関係と見做しているかもしれないけど…彼は、そう思っているのかしら?」








頭に浮かぶは彼の姿




彼とはいつもお世話になっている、結構信頼している数少ない存在だ


彼は、大丈夫

彼なら、信じられる



………本当に?









「でも、本当に分からないものね







―――あなたの笑顔は、完璧過ぎる」







あぁ、本当に笑いたくなる


嘲笑いたくなる




笑顔までも、仮面を被ってしまうなんて








「(否定は、しない)」






以前、フレイリがこんな事を言っていた




『笑顔は、人を欺き自分の心を隠す最適な方法だ』と




始めは反論をしていた私は、何も知らなく無知だった。それがいざ世界を巡り、万人の記憶を引き継ぎ……いつの間にか私も笑顔を方法に使ってしまっていた

今が、そう

昔の【私達】が世の中を渡って行く為に編み出した方法は、無意識でも立派に活躍をしているだなんてあの時の私に言ったら…どうなっていたんだろう






「気分を害してしまうのは謝るわ。でも、私は間違った事は言っていない」

「…えぇ、貴女は何も間違った事は一つも言っていない」





正論過ぎて、何も言い返せない

彼女は真っ直ぐだ

彼女の言葉が、真っ青に私の心を突き刺してしまう






「……少しくらい、彼に甘えても罰は当たらないと思うんだけどね」





甘える?


何を甘えろと言うんだ





甘えてしまったら最後、それこそ私は―――




















「おいおい、見ろよこんな所に美女が二人もいんぜ?」

「ヒュー!本当だ!なぁなぁお姫様達今暇〜?」

「今から俺達とどっか行かないか?」







チンピラに絡まれました





×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -