「ブイィイイ!!」

「ブ、ブイ…」

「…」

《ちょ、ミリ様白亜様がすっごくやる気満々ですよなんかもう燃えているっていうか修羅化になっているような…!やはり先程のアレを見たせいですかね…あぁあああちょっと白亜様落ち着いて下さいぃいいいい!》






「待ちやがれぇえええ!」

「うわぁああん!」




――――――――
――――――
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――










ここはコガネシティ郊外






「ちょっと待てよ!」

「いやよ!離して!」

「離すわけねーだろうがっ!とりあえず落ち着け馬鹿野郎!」

「……何よ!私よりもあの人の方が良いんでしょ!?…分かっているんだから!」

「違うに決まっているだろ!?あれは不可抗力だってさっきから何度も言っているだろーが!」

「嘘ね!嘘よ!顔に書いてあるわよ!」

「……お前こそ!満更でもなさそうなくせに!悪かったな!俺はあんな風に紳士でもなけりゃ優しくなくて!」

「な、なによ!どうしてそんな風にしか言えないのよ!」

「お前こそ顔に書いてあるだろーが!俺が見抜けてないとでも思ったか!?」

「っ、確かに貴方はぶっきらぼうでがさつな所があるけど…!」

「Σテメェ本当に言いやがったし!」

「でもっ……わ、私は!そんな貴方だからこそ、好きなのに…!」

「………!!お前…!」

「…私だってあの人みたいに色気もないし胸も無いし…取り柄なんて私こそ何もないわよ……」

「…そんなの、関係ねぇ。…俺も、お前だからこそ…好きなんだ」

「っ…」

「…悪かったな」

「いいえ、私の方こそごめんなさい…」

「…戻ろうか。皆が待っているはずだ。…今日はずっといような」

「えぇ!」






あははははは〜〜



うふふふふふふ〜〜






















「…俺達、何やってんだろうな」

「は、ははは…もう、何だろうね…」






目の先で、あんな光景を見てしまったら流石に鬼ごっこを続ける気力を無くしてしまった私達は、木陰でぐったりと互いに背を預けていた

途中まではマジでガチでレンから逃げ回っていた私。レンもマジでガチで私を追いかけていたらしく、二人してもうヘロヘロだ。てかマジであの人口が密集するコガネの中をよくもまぁ鬼ごっこ出来たなんてつくづく良くやったなぁと思う(マジで






「昨日といい今朝といいさっきのといい…マジ何なんだよ今日は厄日かよふざけんなチクショウ」

「…さっきの私達、下手をすればあの人達と同じ事をしていたんだよね…?」

「…まぁ、そうなるな」

「……なんかもう、あの二人のせいで変なテンションになっちゃっていたね私達…」

「本当だよなマジで…」






どこぞの少女漫画じゃあるまいし、むしろ私達がそうだったら羞恥を通り越してマジで爆笑の域。いや本当に恥ずかしすぎて穴があったら入りたい、マジで

しかもあのカップルが口論する内容と私達の内容があまりにも似ているから笑うにも笑えないというミラクルが発生しているんですけどなにこれ






「あのカップルも、やっぱり何かあったのかな」

「…さあな。考えるのも面倒くせぇ」

「あのカップルが喧嘩する内容、さっきの私達の内容と似ていない?」

「…似過ぎているな。確かに」

「…ここは私達も一芝居しとく?」

「………いや、遠慮しとく。今はやる気が起きねぇし、第一よーく考えてみたらどう見ても内容がくだらねぇ」

「それ言っちゃうと何も言えない…」

「……あんなありきたりなやつより、俺達はこんな感じで仲直りすればいいだろうしな」

「……こんなぐだぐだな仲直りもどうかと思うんだけどね」






そもそも昨日の事があって言っているのかこの人は







「…それ以前にいきなり逃げ出したのはお前だろ?」

「若気の至りってヤツですよ」

「そんな若気の至りはいらねぇよ」






そんな事を冗談で言ってみたら後ろから小突かれた。痛くない

あれはもうあの時のテンションにやられたんだよきっと。考えてみれば本当にくだらない事なのに、何であの時無性にムカついて無性に腹立たしかったのかこうして改めて考えると自分の心境がサッパリわっかんない

そして今回のレンも意外に負けず嫌いでマジでガチで負けを認めない走りっぷりを見た時はもうどうしようかと思った。足が速すぎだよ舐めてたわー。これじゃ本当に逃げ出せられないジャナイカー






「まあまあ、これも一種の青春の一ページとして心の中に押し止どめて置こうよ。何年か経って振り返ってさ、私達はあの時まだ若かったってね〜って笑うんだよ。多分」

「こんな波瀾万丈な青春の一ページだなんて勘弁してくれよ。俺の身が保たねぇ」

「何言ってんの。レンはまだまだ若いんだからそんな事言っちゃうと私はどうなるのさ!(仮にも沢山の世界を巡っているし!)」

「どうもしねーよお前も充分若いだろーが!」






いや、マジでそうだし

お陰様で身体は成長をストップしちゃって老い知らずだけど、心は普通に成長している。正直あまり歳を考えたくない。それほど私は様々な世界に行って、その世界に滞在して……その年数を足してみたら……おーっと!脳が考えることを拒絶しはじめたぞー!!

でも若い心を(なんとか)持っていれば生きていける。むしろ歳相応な心もちゃんと弁えているからこうしてレンと会話が出来るしね!(人によって区別している私←)

しかもここはポケモンの世界

……なんの問題も、ないさ!!!







「あー…とりあえずアイツらフルボッコした後はセンターでゆっくりするぞ。今寝たら目が覚めたら朝になっていたりしてな」

「……筋肉痛になっていたらそれこそ笑い話だよね」

「止めろよ年寄りじゃあるまいし。知ってるか?年寄りは運動した次の日には筋肉痛になるんだと」

「うわっ、ある意味知りたくなかった事実だよね」









私は私だとちゃんと自分を持っていれば、いくら心が成長していても私という自我は消えない

だからこそ、私は笑えていられるんだ








まぁ老けないのは、いいよね!←






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