「おぉ!レンとミリ姫じゃないか!奇遇だな。…お、皆の者見るがいい。良かったなぁお前らの主達が仲直りして。見ろよあんなにガッチリと手を繋いで。…断ち切りたくなるぜ!」

「やめろやテメェ!」





若干引きずられる様に皆がいる場所に戻ってみたら、楽しそうに遊んでいる白亜と黒恋にその二匹を見守るハピナスとミルタンク、浜辺で水浴びしているアブソルに空中で遊んでいる時杜とトゲキッス、その全員を見守る蒼華とスイクンとエルレイドに……何故かそこに最近見た事ある姿が(あれ

相変わらず水色のスーツを着こなしマントをたなびかせるミナキさんは、蒼華とスイクンの真ん中で幸せそうな顔で陣取っていた(蒼華とスイクンの何とも言えない表情が)(ウケる)。やって来た私達を多少大袈裟に歓迎し、繋がれている(というか掴まれている)私達(特にレン)の手にチョップを食らわそうとする。まぁもちろんその手をレンが払い捨てた事で不発に終わるが(痛そうだ

ミナキさんとレンが睨み合いをしあっている中、遊んでいた白亜と黒恋は嬉しそうにこちらに駆け寄る。黒恋は繋がれている私達の手を見て「ブィイイ!」とジャンプするが(時杜の通訳だと《離せぇえ!》らしい)、蒼華の紐によってあえなく不発に終わる(可愛いなぁ)。レンの事が好きな白亜は尻尾を振りながらレンを見る。手を離した方がいいかなぁと思ってもガッチリ掴まれて取れなく、白亜の気持ちを知っている私はどうしようかと思ったが、「ブイ!」と一声かけてニコッと笑った(時杜の通訳だと《良かった!》らしい)(なにが)←公認

レンのポケモン達も私を見て嬉しそうに駆け寄って来たので、それぞれの頭を撫でてあげる。目を細め気持ち良さそうに撫でられるポケモン達に久々にキュンキュンだ←






「お前何で此所にいるんだよ」

「私が此所に居てはいけないのか?」

「あぁ、悪い」

「(えええええ)」





キッパリ言うレンにミナキさんは慣れた様子(しかし引きつった笑み)でバシッとレンの肩を叩く

相変わらずだなぁ、と苦笑する私に時杜がやってくる。肩にフワリと乗り、同じ様に二人を見て苦笑する。蒼華も近付いて来たので頬を撫でてあげる

しかし手を離して欲しい恥ずかしいから←






「しかし羨ましいな。どっからどう見てもカップルにしか見えんぞ」

「ははっ、照れるぜ」

「誰も褒めてはない」






そりゃそうだ(恥ずかしい)






「ふむ、そうだな。レンだけそんな幸せ気分に浸るのも癪だな。…ならミリ姫、是非私の手にも…」

「ざけんな」






ミナキさんが言い終わる前に、レンの手がミナキさんの手を払い落とす

パシン――と、乾いた音がやけに響いた。エルレイド達も、時杜達も、もちろん私も目を張る

払い落とされたミナキさんも驚いた表情でレンをしばらく見るが、ふむ、と考える仕草をする。それが次第にニヤニヤし始めたので、レンは眉間に皺を寄せた





「なんだよ」

「いや、別に。ふむ、そうか…レン、お前も隅に置けないな」

「意味わかんねーよ」





なんだこいつ、と嫌そうに見るミナキさんを見るレンに、ミナキさんはふむふむと勝手に納得してニヤニヤと笑う(ちょ、ミナキさん気持ち悪いry

そこで私は気付いた

レンは、私の手を庇ってくれたんだと






「……」

《ミリ様…そのリストバンドはレンさんの物ですよね》

「(…そうだよ)」






肩に座る時杜からのテレパシー

詳しく聞かないのは時杜の良い所。心配そうにリストバンド…に隠れている痕を見る時杜に私は刺激を押さえながら時杜に触った。あ、でもやっぱり痛いなー

ミナキさんも私が着けているリストバンドの事には気付いた様だけど、特別その事には触れてこなかった

正直、有り難かったりもする






「つーかミナキ、お前ミリがマツバの所に居たのは知ってたか?」

「あぁ、勿論だ。ミリ姫がマツバの家に滞在し始めてからちょくちょく会いに行っていたぞ。なぁ、ミリ姫?」

「はい、そうですね(いや、こっちに振らないでミナキさん!)」

「そうか。……フルボッコ確定だな」

「(えええええ)」








繋がれた手が、あたたかい






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