『お疲れ様だったね』

「マツバさん」

『ミリちゃんはもう行ったのかな?』

「はい、ミリさんが行った後……すぐにレンさんも此所を出て行きました。…あの…二人は大丈夫なんでしょうか…?」

『うーん、大丈夫だと僕は思いたいかな。二人の間に何があったかは流石に視えないし聞けなかったから真相は知らない。とにかく僕らは高みの見学といこうじゃないか』

「はい、そうですね」







――――――
――――
――









青い海



綺麗な砂浜



空は綺麗な晴天









「待ちやがれこの野郎ーーーーーーッッ!!!」

「いやぁぁぁああああああ!!!」







爆走をしている二人の男女









「ちょっとちょっとちょっとちょっとぉおおお!何で私の足に着いて来れるの!?これでも私足速い方なんだけど!!」

「舐めんな!!つーかお前こそ速過ぎだろ!今なら許してやるから大人しく捕まりやがれぇえええ!!」

「誰が捕まるかセクハラエロ大魔人がぁあああああああ!そういう台詞は私を捕まえてから言うんだね!」

「上等だ!覚悟しやがれ!!」








「「ブーイ…」」
「…」
《あらら…》
「エル…」
「ハッピー…」
「ミル…」
「フィー…」
「……」
「シャー…」






青い海、綺麗な砂浜、空は晴天

そんな場所はよく恋人同士がデートスポットとして訪れる事が多い場所でもある

よく夕陽を背にしてカップルが「うふふ、私を捕まえて〜」「ははは、待てよ〜」とかそんな姿を度々目撃されていると聞く



が、しかし







「ねーお母さん。あの綺麗なお兄さんとお姉さん、なんであんなに必死になっているの?てかもう生死をかけている様な感じなんだけど。むしろリアル鬼ごっこだよねアレ」

「ダメよそんなにジロジロ見ちゃ。アレは昼ドラみたいなドロドロ関係な話に違いないからあなたにはまだ早い話よ」

「でもお母さん、あのお姉さんって結構有名な人だよね?え、なんで有名な人が追っかけられているの?」

「あら本当!でもああいう綺麗な人ほど何があるか分からないのよ〜」

「お母さん昼ドラ見過ぎ!」







目の前で繰り広げられている光景は甘酸っぱい青春を感じされない程で、しかも勝手に勘違いされる始末で(いや、あながち間違ってない

二人のポケモン達は先程の親子の会話を聞き、何とも言えない表情でただ目の前の光景を見つめる事しか出来なかった





「「ブ〜イ!」」
「ハッピー」
「ミルミル」
「フー」

「…」
「…」

「エル」
「シャー」
《そうだね、僕らは僕らで遊んでいよっか》






二人のポケモン達はそれぞれ巻き込まれない様に、主達の気が済むまでこっちはこっちで感動の再会をしようとその場から離れるのであった






「待ちやがれぇえええ!」

「いやぁぁあああああ!」









そんなことは露知らず、トレーナー達は生死をかけたリアル鬼ごっこを続けるのであった






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