プルルルル…



プルルルルルルル…











ガチャ









「はい、もしもしミカンです。…あ、マツバさんおはようございます。……はい……はい、えぇ………え、それは本当ですか?……はい、それは全然構いませんよ。……はい、はい……わぁ、私も負けてられません。……はい、準備万端で待っています、と伝えて下さいませんか…?……はい、ありがとうございます!……はい、えぇ、お昼過ぎ頃ですね?分かりました。……はい、お電話ありがとうございますマツバさん。……はい、では失礼します」





ガチャッ……








「ミカンさん」

「…コナツ、今の話を聞きましたね…?至急レンさんに連絡をお願いします




今日のお昼過ぎ頃にあの"聖燐の舞姫"さんが、貴方の捜すミリさんが、ジム戦に来ると」

「はい!」








* * * * * *











「今日は良い天気!絶好のバトル日和だよね。白亜、黒恋!」

「「ブイ!」」





鋼タイプ攻略修業を終え、昼ご飯を済ませた私達は(お望み通り親子丼にしてあげた)(むちゃくちゃ好評だった)、今現在アザギシティに向かう為テクテクと歩いていた

今日は蒼華の背は借りずにお散歩気分で景色を眺めながら約束の時間に間に合う位でゆっくりと楽しんでいた(蒼華の足だとすぐに着いちゃうしね)。周りを見渡すと私とバトルしたそうなトレーナーの目線を感じる…が、目と目を合わせても視線を逸らされてしまう(現在スーツ姿)。ウォーミングアップもかねてバトルもしたいのに、これだと台無しな様な気がする(スーツ姿を着たお蔭でタダ者じゃないとオーラが語っている為、他のトレーナーは怖じげずかれている)(もちろんそんなこと気付かない私←





「スチールバッチゲットしたら、そろそろ旅に出ようかな」





家の用事で長期留守をしていた家政婦さんが今日の夕方から無事出勤出来るという連絡を受けたから(聞けば一か月プランのホウエン旅行らしい)(マジか)、マツバさんの家事については心配する事は無くなった。負のオーラについても大丈夫そうだし

これ以上厄介は出来ない。そろそろ旅に出ないといけないし、いい加減このぬるま湯から抜け出したかったし。これは私にとってタイミングが良かった

…うーん、しかし家政婦さんが戻るって話を聞いたゲンガー達にせがまれた時はどうしようかと思った(マツバさんも表情が…!)そんなに私がいなくなるのが寂しいのかそうかアッハッハ。可愛い奴等め←






「よーし!アザギシティまで準備運動兼ねて、走るよ!」

「「ブイ!」」






歩いていれば目の先に広がるのは壮大な海原に、立派にそびえ立つ灯台

私と白亜と黒恋は、これからのバトルに気を引き締めながら駆け出して行った














私は気付かない


バックの奥深くにしまってあった白銀の腕輪が

静かに、淡い光を帯び始めたのを









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