シルバーはその後、私に自分自身の経緯を教えてくれた。私が(未来に)帰った後誘拐されて、ブルーと一緒に過ごし、脱走した事。蹴りをつける為ワニノコを盗み、ゴールドとクリスに出会い、レッドとグリーンとイエローにも会い、最後はウバメの森で決着を着けた事。父親サカキを捜していたらトキワシティに来てイエローと再会し、ロケット団と戦い、最悪な事態で父親サカキと再会。それからデオキシスをレッドとグリーンとブルーとイエローと一緒に庇い、不思議な力を浴びて石化をしてしまう。その後はバトルフロンティアでジラーチの力で石化を解かれ、ゴールドとクリスと再会し、後輩ルビーとサファイアとエメラルドと出会う。ハイドロカノンを習得し、十人の炎草水電の合わせた力でガイルと名乗るアオギリの野望を打ち砕き、事件は終盤を迎える

ポツリポツリと、言いにくい話もあったけどそれでもシルバーは包み隠さず話してくれた。スペでおおよその話は把握していたけど、実際に本人の口から話を聞くと内容も違って見えていく

シルバーはサカキさんがロケット団首領だという事実を踏まえながら私に全てを話してくれた。けど、その事を既に知っていた私に逆にシルバーが驚いていた(敢えて名前を伏せるのは人は居ないが仮にも喫茶店だったから






「驚かないのは、もちろんあの人がアレだったのを知っていたのもそうだったけど、私の知っているあの人は今と昔も変わらない。ただそれだけの事だよ、シルバー」

「姉さん…」

「ありがとう、全てを話してくれて。…辛かったし、怖かったね。でも、ソレをバネにしてシルバーは成長をしてくれた。もうシルバーの未来は、明るいよ」






辛い過去を経験した者は、必ず明るい未来が待っている。お疲れ様、辛かったよね?さぁ、新しい未来が待ってるよ。…そう、人の未来は上手くなっている。私は何度もその姿を目撃してきた

きっと今がシルバーにとって明るい未来の兆しなのかもしれない

そんな事をしみじみ考えながらマスターから貰った紅茶を飲んでいたら、シルバーが口を開く





「…姉さんは今と昔も変わらない姿をしているけど…歳も17だと聞くし、…今まで何をしていたんだ?」





その質問は本当に私は17歳なのか?どうして十年経っても変わらないのか、と言う質問

その質問がくると予想はしていた。昼にゴールドとクリスも加わって会話をしていた時、ゴールドに歳を聞かれ正直に答えたらすっごく驚かれたのを覚える(しかも全員に)(聞いたら23に見えたらしい)(ははは、軽く殺意が←)

私はまっすぐ見つめるシルバーを見返して、苦笑した





「その台詞、似た様な形…いや、直球で聞かれたよ。グリーンに、ね。でも、ごめんね。…今はまだ、言えない」

「……父さんは、知っているのか?」

「触り程度には言っておいた。でも、詳しくは言っていない」





詳しく言っといた所で何の解決にもならないのは目に見えている

サカキさんには「良く分からないけど未来から来た」、と言って逆算した年数をも教えた。驚くサカキさんに「自分でも良く分からない。この事は良くある事、今更驚きはしない」とも教えた。多少嘘も含んだ話は意外にも信じてくれたサカキさんは、黙認してくれる事にも了承してくれた(逆に私が驚いた位だ)






「今はまだ言えない。でも、時期が来たら話すよ。シルバーにも、あの人にも、ブルーにも、レッドにもグリーンにも」

「…ブルー姉さんはともかく、レッドさんやグリーンさんにも?」

「レッドも関係者。グリーンはレッドとブルーの会話を聞いたから」

「…三人は、何て言ったんだ?」

「『ミリはミリだ。それ以上でもそれ以下でもない』」

「…!」

「話はそれで保留になってくれた。彼らは優しいよ。…だから、シルバーも待っていて欲しい。…いずれ、話す機会が訪れるから」

「うん。俺もブルー姉さん達が言った様に、姉さんも姉さんだ。それ以上でもそれ以下でもない。…待っているよ」

「ありがとう、シルバー」








それが嘘の真実だとしても








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