なんか色々ヤバかった奴等をバトルでボコボコにし、居場所を吐かせた俺はすぐにキキョウシティのマダツボミの塔付近に向かった。詳しく聞けばさっきまでキキョウジムリーダーと対面をしていたらしい。リーダーがジムに戻ったら、それを待っていた(糞)トレーナー共が挑戦を持ち掛け始めたとの事

結構な人数が押し寄せたらしく、今でも戦っているみたいだ





「ラッタ!ひっさつまえばだ!」

「オドシシ!ふみつけ!」






いた

バトルしている奴等を


意外に近くにそいつらは戦っていた。周りには今か今かと勝負を終えて次にバトルをさせろと言っている様に応援している姿がある

戦っているのはトレーナーの呼び声からしてラッタとオドシシ。ふみつけに失敗した大きな音が聞こえて来る。俺は集団の中に入り、人と人との隙間を抜けて行く

チッ、結構多いなこいつら

それから「ラッタ!でんこうせっか!」「オドシシ、さいみんじゅつ!」と次の指示が出される声が聞こえる。ダブルバトル、か。きっとラッタとオドシシの相手は――

集団からなんとか無事に抜け出した俺は、目の前のバトルを見た。目の前にはラッタとオドシシ、――白と黒の色違いのイーブイの姿

そして…







「白亜、ラッタにでんこうせっかからアイアンテール!黒恋、さいみんじゅつを食らってはいけないよ。あなをほる!」










「(っ、姉さん…!)」





夢の中でいた姿と、三日前と変わらない姿で、姉さんはいた。凛とした声で指示を出せば白いイーブイはでんこうせっかでラッタに対抗し、尻尾を光らせアイアンテール振り降ろす。黒いイーブイは穴を掘って地中に戻り、さいみんじゅつから逃れる。地中に潜り、姿を眩ました黒いイーブイを慌てて捜すオドシシの真下から、黒いイーブイが飛び出してオドシシに激突

同時にラッタとオドシシは戦闘不能になり、スタッと白と黒のイーブイは着地する。相手のトレーナーは悔しそうにポケモンをボールに戻し、「次は俺だ!」「俺も!」と次のバトルを希望する奴等が喚き出した

白と黒のイーブイは「「えー、また?」」と言っている表情をしてグッタリとしている。やっぱりぶっ続けでバトルをしていたらしく、体力は減っていなくても疲労はかなり溜まっているのがすぐに分かった。姉さんも、微笑を浮かばせていても…息を吐く姿はやっぱりどう見たって疲れている様だった





「よし!次は俺だぁあああ!」

「よろしくなんだぜ!」





そんなことも知らない馬鹿共は「「頑張るぞ、おー!」」とかなんとか言いやがっている(こいつら…

無駄に意気込む奴等をイーブイ達は耳を垂れてゲッソリし、姉さんも流石にゲッソリして引きつった笑みを見せた

……流石に、これはヤバいだろうな。これ以上戦ったらもしかしたら疲れ果てて負けてしまう恐れがある






「その勝負、俺も参加させて貰う」





腰からボールを取り出して、俺は前に出る

いきなり俺が乱入してきた事に周りは怪訝そうな顔を向け、トレーナー達も「なんだこいつ」と顔をしかめる(それはこちらの台詞だ)。イーブイ達も俺の登場にビクッと体を震わせ……姉さんは、驚いた表情でこちらを見ていた






「もちろん、この人と一緒にな」






姉さんの隣りに移動し、庇う様に前に出る。周りのうざったい視線から姉さんを守る様に。周りからはもちろんブーイングが起きるがそんなの関係ない

気に食わないのか目の前のトレーナーがつっかかってくるが、知らないな。見えん←







「貴方は……」

「俺が加わっても構わないよな、………姉さん」







視線を後ろに向けば、カチリと目があう姉さんの瞳

大きく開かれた瞳は俺を凝視していた。けどフッと笑った姉さんは綺麗で、笑った後俺を見た姉さんは優しい笑みを浮かべていて







「もちろんだよ、シルバー」










(やっと会えた、俺の姉さん)



×
「#幼馴染」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -