"姉さん"の話を聞く事が出来ても、見つける事は難しかった


父さんをひみつきちに置いてから三日間。各街を中心に話を聞いてきた。特に目撃が多かったのがキキョウ、ヒダワ、コガネで、話を聞いてみると午前中にその姿を見掛ける事が多く、よくバトルしている姿を目撃されていたらしい。しかし、昼になるといきなり姿が見えなくなったそうだ。通りすがりの奴に聞くと、その時はコガネシティのジムに入って行ったっきり、全然出てこなくジムトレーナーに聞いたらもう出て行ったと言われ仰天したと言っていた(そもそもお前その行動はストーカーに近いぞ)(もちろんバトルでボコボコにしてやったがな)

話に聞いて分かった事は、一ヵ月前にカントーで有名になった「聖燐の舞姫」が姉さんの事だという事

姉さんは無事カントーを制覇しジョウトに足を踏み入れた、との事。目的は専らジムバッチらしい。白と黒の色違いの強いイーブイ達を手持ちにしているとの話も聞けた(また、色違いか





「……姉さん」





俺は一枚の写真をポケットから取り出し、写っているものを見る

そこには白のイーブイを抱き上げ、黒のイーブイを頭に乗せてコガネシティを楽しそうに観光している姿が写し出されていた。あの時見た姉さんと同じ姿のまま、見惚れる程綺麗に写っていた(裏で写真を売っている奴等がいた)(もちろんバトルでボコボコにしてやったがな)





「………」





話はたくさん聞ける

しかし、消息が掴めれない


俺は小さく溜め息をつくと、持っていた写真をポケットの中にしまい、ボールを取り出してヤミカラスを出そうと腰に手を動かした

その時だった






「おい、聞いたかよ!あっちにあの聖燐の舞姫がバトルしてんだと!」

「マジで!?そりゃ行ってあの美人を拝まないと!ついでにバトルも申し込まないと…!」







「……!!」





俺の隣りを通り過ぎようとした二人のトレーナーの会話で、俺は目を張った






「会ったらまず握手してもらってー、サイン貰うだろー!」

「後は一緒に写真取って貰おうぜ!」

「だな!よーし早速行こうぜ!キャッホォオオオ!」






……運がいいのか、タイミングが良いのか、そいつらはルンルンとスキップしてその今現在バトルをしているだろう場所に向かって行った(大の大人がキモいぞ)


今俺がいる所はアルフの遺跡の近く。あっち、の方角は……キキョウシティ 









「……………」








俺はそいつらの後を追った






「「うへへへへへへへへへへ!舞姫ちゅわーん!今から行くからねぇえええ!アッハッハッハ!」」









…いや、その前にバトルして奴等をボコボコにするべきか(キモい、果てしなくキモい)








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