「ツクシくーん…本当に本当に本当に本当に本当に本当に本当に行くのー?」

「はい!本当に本当に本当に本当に本当に本当に本当に行きますよミリさん!」

「えええええ…」





自分より小さい体をしたツクシ君が、ウキウキルンルンらんらんるーwなノリで私の手をグイグイ引っ張って前を突き進む。私は嫌々ながらも無抵抗で引っ張られて行く


ここは、ウバメの森

ポケギアでは炭焼きの材料となる木がたくさん取れる森と表示されているこの森は、樹々が生い茂り昼間なのに光が遮られ薄暗いイメージを持たせる。トキワの森より静かに見えるこの森は、何故だか不気味に感じる






「あぁあああ今日はヤドンの井戸を見学しに来ただけなのにどうして森なんかにぃいいい」

「ミリさんが虫ポケモンの中でキャタピーが苦手なのがおかしいです!ので僕がミリさんに虫ポケモンの!キャタピーの素晴らしさを教えます!良かったー今日がオフで〜」

「あぁあああああああ…」






ズルズル私を引きずって行くツクシ君と、ズルズルと引きずられて行く私

後ろに歩くのはストライクに尻尾を刃で挟み込まれダラーンと既に抵抗を諦めている黒恋と、空中ではスピアーに掴まれて逆に楽しんでいる白亜の姿があった。…あぁ、もう飼い主に似るのはこの事を言うんだね


そもそもどうしてこうなったんだ


―――――時は数時間が逆上る。今日は気晴らしにヤドンを見て癒されようかなと何気なくヒダワタウンに足を入れたのが、間違いだった気がする。ヒダワタウンに着いて、変装するのは止めてのんびりと白亜と黒恋と道端にいるヤドンと戯れていたら、ツクシ君が私に声を掛けて来た。久し振りだった事もあって、話に盛り上がっていたんだっけ

……確か、会話中に何かの質問に対して「虫ポケモンは好きだよ。でもキャタピーだけ好きになれないんだよねぇ」…って言ったのが運のつきだった

すっごく否定されてそして凄い勢いで私の手を掴んでウバメの森に連れて行かれたんだった…。白亜と黒恋は止めようと試みてくれたけど、私の発言でツクシ君と同じ気持ちになったツクシ君のポケモンのストライクとスピアー(ジム戦でバトル済み)の子達が二匹を掴み掛かって以下省略←

ああああこの子もう素晴らしくウキウキルンルンらんらんるーですね!←






「こっちに良い虫ポケモンの穴場があるんですよー。ここで僕のバタフリーを捕まえたんです!あ、もちろんキャタピーの時からね!ミリさんも一緒にキャタピーのもそもそしている姿を見て癒されましょう!」

「いやぁぁああああそのもそもそが嫌なんだってばーーーっ!!」

「観念するんです!」

「この子可愛い顔して強引だ!!」








イモムシは嫌いです






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