家政婦さんが復帰出来るまでもうしばらくここに滞在する話に決まり、ヘロヘロになった二匹をゴーストポケモンから守りつつ戯れながら時を過ごした。マツバさんのゲンガー達が今後は蒼華と時杜を驚かそうと試みたり(蒼華に跳ね返されていた)(時杜は苦笑していた)、また白亜と黒恋と鬼ごっこを再開したりと静かな夜だけどこの空間だけ騒がしかった

騒がしさに今度は野生の夜行性ポケモンがやって来たり、何だか大変な事にもなっていて笑いじゃ済まされない事態に(ギャアア!






「そういえば前々から聞こうと思ったんだ。ハヤトやツクシ君から聞いたんだけど、ミリちゃんレンの写真を見せて自分がジムに来た事を秘密にしているって本当かい?」

「うっふー。やだお兄ちゃんどっから聞いたんですかそんな話私知らなーい」

「お兄ちゃん気になるなぁ。その調子だとコガネジムリーダーのアカネちゃんにも頼んだのかな?」

「エッヘッヘー、写真あげるからお願いって言ったら即OK貰いました、だなんて私知らなーい」

「あー、あの子らしい…にしてもどうしたの?………って聞いてもいい話じゃないみたいだねミリちゃん笑顔が素晴らしくて逆に怖いよ」

「アハー」






なんのことだか私分からな〜い、とニヤニヤしてマツバさんに言えば、マツバさんは若干引きつった笑みをする

そう、昼頃アカネに見せた写真は紛れもないレンの写真――もし、私の事を捜しているなら確実にジムに言ってジムリーダーに問い出すに違いない。レンの事だ、強行突破を仕掛ける事は明白だ。ハヤト君やツクシ君の時はほとんど変装で街をうろついていたから、地元の人達にはバレていないはず。コガネでも、多分バレていない






「それでね、今日久々にレンから連絡があってね」

「ゲッ(^_^)」

「(え!?)何日か前にジョウトに入って、今フスベシティにいるんだって。彼、元気そうだったよ」

「へぇ〜(^_^)」

「(えええええ…)」







一体何があったんだとマツバは思う。出会った当初は仲が良かったのに(レンの冗談に振り回されていたけど)



そこでマツバは今日の会話を思い出した









「久し振りだね、レン」

「あぁ。…マツバ、連絡して早々聞くが、一か月位前お前ん所でバッチ渡した奴って何人いる?」

「一か月位前?確か…四人だったかな。もちろん、そこにミリちゃんもいるよ」

「……………、へぇ」

「レン?」

「そうか、やっぱりジョウトにいやがったか………フッ」

「(声のトーンが低い…しかも笑った……何かあったな)」












「(あの時一瞬でもミリちゃんの身の危険を感じたけど、どうやら予感は当たっていたみたいだね……)」

「マツバさん?」

「えーっと…、此所にいる事はレンには言っていないから安心して。バッチ取ったら此所を去ったから分からない、とも言っといたからね」

「いやぁ流石マツバさん!分かっているー!ありがとうございます」

「あはは…」






ふふふ…

やっぱり読み通り!

レンの事だ、私の行動を先読みしてフスベシティに行ったと思うけど、そう思って敢えてゆっくりしていた甲斐があったぜ!





「(ミリちゃん、すっごく楽しそうだ。……あー、後が怖いぞ多分。とりあえず後でミナキに連絡を入れといてあげるとするか…)」

「いやー、星が綺麗ですね〜」









(無事逃げ切れるかな)



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