「あちゃー、さっすが聖燐の舞姫やな!噂通りの実力や。そっちの黒いイーブイ、可愛ええ顔して凄い実力を秘めとるんなぁ〜。ウチのミルタンクがまさか倒されるとは思わんかったわ!ほら、これがレギュラーバッチや!受け取ってぇな、ミリ!」

「ありがとうアカネさん」

「アカネさんやなんてそんなかたっくるしい!アカネでええよ!もうウチらは友達やん!」

「そうだね、アカネ!」






コガネシティのコガネジムにてバトルに勝利し、アカネからレギュラーバッチを受け取った。アカネから握手を求められたので、私はその手を取って握り返した

足元では黒恋が尻尾を振ってニコッと笑う。「ありがとう」と言っている様で、可愛い物大好きなアカネは黒恋を見て「はわーん!可愛ええなぁアンタ!」と頭を撫でる。嬉しそうに頭を撫でられる黒恋に私はクスリと笑った。ここ最近で黒恋とボールの中にいる白亜はだいぶ人間に慣れて来た様で、ビクビクする事はあっても今みたいに頭を撫でられれる様までなってくれた

私はバッチケースをバックの中から取り出して、中を開く

受け取ったレギュラーバッチをセットすれば――合計四つのバッチが、キラリと光った






「ウイングバッチにインセクトバッチにレギュラーバッチと…ハヤテとツクシとウチで…お、マインドバッチがあるから、マツバさんと戦ったんやな」

「マツバさんと知り合いだったから、ジョウトに来た時に寄ったんだ。その時にジム戦をしてもらったの。彼、ゴーストタイプの使い手らしい戦い方をしてくるから正直苦戦しちゃったな」

「あー!マツバさんはなぁ〜うーん、ウチとマツバさんはポケモンのタイプで相性があわへんのや。詳しい事はよう分からんけど、お疲れ様や!」

「あ、あはは…」





どうやら私の頭では「ジョウト=マツバさんとミナキさん=エンジュシティ」のイコールで結んでいたらしく、空間移動して初めて訪れた場所がエンジュシティだった

ジムを探し、マツバさんを見つけた時はカントー制覇ジョウト攻略のあまりの早さに驚かれたのを思い出す。しばらくジョウトに慣れる様にとマツバさん家にお邪魔する事になって(確かにあの家は凄かった)、今は旅じゃなくてマツバさんの家から通わせて貰っている。とても申し訳ない

何せエンジュシティはある意味でジョウトの中心部にあるから、結構行きやすいから楽だよ←






「この後はミカンの所に行くんか?」

「ううん、エンジュシティに戻るつもり。マツバさん家で居候し続けるのもなんかアレだから…バッチも四つ手に入れたしそろそろ旅をしようと思ってね」

「居候!?一つ屋根の下!?…ちょっとミリ、アンタも隅に置けんなぁ!」

「いやー、これには理由がありましてね」






私はバックからまたあるものを取り出した

それは、一枚の写真






「?なんやその写真………って、んなーー!?なんやこのめっちゃイケメンな奴!イケメン過ぎて眩しい!え、ミリこのイケメンがどうしたんや?」

「この人がもし私の事を聞いて来たら…………知らない、と言い張ってね」

「……ちょ、ミリ。顔は笑ってるけど目が笑ってないんやけど……なんやもしかして男と女のドロドロ関係?」

「うっふー」

「(聞きたいんやけど聞いてはアカンと言っている無言の圧力や…!)」










ジョウトに来てから、また一か月が過ぎようとしていた






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