『服を変えて欲しい?』

「うん。ほら、心機一転ってね。それかもうこっちが変えちゃってもいいかな?」

『駄目に決まっているでしょ!その服にどれだけ力が込められていうのよ!今はまだその服でいなさい』

「えぇええええ」

『…にしても珍しい事もあるのね。あまり服には興味が無い貴女がいきなり服を変えて欲しいだなんて……雨が降るわね。何かあったの?』

「………フレイリ」

『何?』

「世の中には聞いちゃいけない事と、聞かないほうが良い事もあるんだよ」

『(………何かあったわね…)』






―――――――
――――
――













ズドォォォオン――





大きな震動が響き渡る




何かが強い力で叩き付けられた衝動が襲い、ポケモン――ミルタンクがゆっくりと倒れていく



倒れたミルタンクの前に降り立つ様にスタッと着地をしたのは、黒色をしたイーブイ


起き上がろうとするミルタンクであったが、力尽きた様で倒れこんだ。目を回し、起き上がる気配を見せないミルタンクに、トレーナーであるアカネは「ウチの負けや」と苦笑を零した







「ミルタンク、戦闘不能。イーブイの勝ち!よって勝者……挑戦者、ミリ!」

「ブイ!」






審判の声に黒いイーブイ――黒恋は元気良く返事を返した





「黒恋!」






一人の女の歓喜の声が上がる


黒恋はピクンと耳を立てると嬉しそうに後ろを振り向いた。勝負に勝ち、嬉しさをジャンプで表現する

女が腕を広げれば一目散に駆け出して――オレンジの、柔らかい身体に飛び付いた






「良くやったね、黒恋!」

「ブイブイ!」










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