《我が主が気付かないとでも思っていたのか?それは大きな間違いだ。主はカントーの船が出航する前からお前達の存在に気付いていた。何かがシンオウに潜んでいる、と。その時まではその"何"が何なのかは分からなかったが…―――我々を放った事で、我々が独自で調べた事によって発覚した。お前達という、存在を》






人間では収集が制限されるも、ポケモンは違う

ポケモンは鋭い。大地の変化や気候の変化、災害の危機に敏感な彼等には、影に潜む存在にも鋭かった。しかも伝説級の彼等となれば訳が違う。彼等には全て、お見通しだった

蒼華や時杜には古くからの仲間がいた。バックにはミリがいる。ミリの為なら動いてくれる頼もしい仲間がいた。そして、何故か三匹は土地のポケモンと交友があった。理由はともかく、彼等はとても積極的だった






《お前達の存在を断定したキッカケを作ったのはある人物からの手紙から、主は私達に命令を下し、別行動を取った。その者の手紙が無ければ今まで気付けない事に気付けたが…いや、主ならすぐに気付けただろう。我々はシンオウに到着する前から別行動を始め、各々調査に入った》






蒼華はシンオウに眠る昔の旧友との再会を果たし、また旧友に力を借りる為に土地を駆け巡り

時杜はシンオウの土地に住むポケモン達から情報収集を

刹那は己の力を最大限に駆使しながらシンオウに潜む存在を探り当て




――――そして、見つけた










《先程から聞いていた会話で、お前達の存在が『彼岸花』だと言う事が判明した。14年前、とある人間一人によって壊滅された犯罪組織が密かに動いていると聞いていたからきっとその『彼岸花』は潰された犯罪組織だとすぐに気付けた。私達の目から見ても、お前達の存在は脅威だ。長年潜り続け、怪電波を送り罪のないポケモンをこのように乱用するなど…――主が黙ってはいない》






蒼華のクリスタルが淡く光だし、回りの空気がダイヤモンドダストで輝き始める。時杜の目が鋭く相手を睨み据え、刹那は手に持つスプーンを真っ直ぐにアポロへ向けた






《精々お前の仲間に伝えるといい。我々は全て、お見通しだという事を。お前達がどんなに奇襲を掛けたところで、主はけして負ける事はない》







アポロがレン達に言い放った言葉とは真逆で衝撃な言葉を放つ刹那に、アポロは流石に先程から貼り付けていた余裕な表情を一変させ、苦虫を潰した顔をした






「―――――…まさか我々が有利に立っていたと思っていましたが、女王に気付かれていたとはヤバいですね。此所は一旦、退きましょうか」

「!アポロ!まだ終わっていないぞ!」

「いえ、残念ですが終わりですよナズナ様。そろそろ私も仲間と合流したいところでしたし、流石の私も分が悪い」

「…ほう、この俺達を前に無事逃げられると思っているのか?」

「誰がテメェを逃がすかよ」

「…おや、囲まれてしまいましたか」






気付けばアポロやヘルガーの回りにはレンとゴウキ、そしてスイクンとカイリキーとフーディンが囲んでいた







「残念だったなアポロ。もうお前には逃げ場はねぇぜ」

「詳しい話は署まで来てもらうぞ」

「逃げ場が無ければ逃げ場を作るまで。マタドガス、広範囲にえんまく、そしてヘルガーにデルビル…―――オーバーヒート!」

「とうとう躍起が回りやがったか。アポロを捕らえるぞ!」

「カイリキー!そいつを取り押さえろ!」

「えんまくにオーバーヒート……ヤバい!お前達今すぐ此所から避難するんだ!!」






―――――ドガァアアアァアン!!












ナズナが言うや否や

黒い煙幕が突如―――大爆発を起こした








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