黒い服

胸元には「R」の文字


そして帽子に付けられた、赤い光







「―――…では、私も計画を遂行してきます」

「えぇ、宜しくお願いします」









浅葱色のした瞳と、紺碧色の瞳が、歪んで光った



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目を閉じると自分のいる場所とは別の場所が映し出される。その映像はまるで自分がその場にいる様な錯覚さえも覚える。この映像は自分が動けない代わりにある、もう一つの眼。自分の仲間と繋がって見える、第二の眼


見えるのは、広大で立派なテンガンザンを始めとしたシンオウ地方の姿


第二の眼は三方向から隅々まで自分の視界を映し、補ってくれる。一つは高い山の上から、一つは森の中、一つは平地の場所から、様々に






そして一つの眼が、"ある場所"を映す













少し遠くに見えるのは、大きな湖

シンオウ地方にある三大湖の内の一つなのだろう。初めて見る湖は静かに存在を主張し、湖があるからこそ大地が潤い、ポケモン達を癒す重大な役目を持つ。立派な湖だ、きっとこの湖の地下にあのポケモンが眠っているはずだ。いつか会ってみたい






他の二つの眼が、今の一つの眼と合流した






三つの眼が同じ世界を映す事によって、より広い世界を映してくれる




二つの眼が、"ある場所"を映した









湖から離れた、湖と町を繋ぐ小さな道

道の回りには木々が生い茂っていた





道の道中に立つ、三人の男性


太陽光で反射する、白銀と漆黒と茶の髪

現在は上空にいるから、彼等の様子は分からない。しかし彼等は木々の中に身体を向け、視線を向け、なによりもハッサムが攻撃体勢に持ち込んでいた。一体何が、その原因を探るべく第二の眼の一つはその身を隠し、ゆっくりと降下し、近付いていく





第二の眼は三人を映した





木々の中にいる"何か"を睨み付ける白銀髪とピジョンブラッドの瞳を持つ男と漆黒の髪と鋭い灰色の瞳を持つ男。しかしもう一人の男、茶髪と隻灰色の瞳を持つ隻眼の男は珍しく動揺を隠せていないのか、隻眼の瞳が大きく開かれていた



彼等の目線の先を追った



木々の中、茂みの中に悠々と立つ一人の男。水色の短い髪と、露草色の瞳を持つ印象的な男だった

何よりも印象的だったのは、真っ白い服に付けられている不釣り合いな「R」の文字と―――真っ赤な花の形を象った、彼岸花のブローチ……
























「ミリー?……あらあら、お昼寝中だったみたいね」

「寝かせてあげよう。パーティは夜だし、ゲンが口煩くお昼寝しておく様に言っていたからね」

「そうねぇ。なら私達はミリが着ていく服でも選びましょうか」

「そうだね」









彼は一体、何者?






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