「あああああごめんねすぐに気付かなくってえええええ久し振り二人とも会いたかったよおおお!!」

「「ブイブイ!」」

「あああこの抱き着き感たまらないよおおお懐かしいし久々だあああああ元気そうでおねーさん嬉しいよよよよ!」

「ハッピー!」
「ミルミル〜」






「ハハッ、微笑ましいね」

「…そういえばあのミルタンク、レンのポケモンだったね。ハピナス…そうかあのラッキーが進化していたのか……しかし何度見ても顔に似つかないポケモンだな…」

「そうよねぇ…全然顔に似合わない」






自分の頭一個分小さいハピナスの大きな身体にのっかかり、弾力のよさと抱き心地と感動の再会を同時に味わっているミリ達に、三人はそれぞれ思い思いの反応を示す。そしてとても失礼な言葉を付け加えて






「しかし、何故レンのポケモンがそちらに?」

「彼は独り身の私を見兼ねてあの二匹をくれたんだろうね。今では全然寂しくないよ」

「まさかアスランさんとレンガルスが知り合いだとは思わなかったわ…流石人望と人脈が厚くて広い二人なだけあるわね…」

「彼と知り合いになったのはつい最近の事だ。私と彼の父親はリーグ繋がりで仲良くさせてもらっていたからね」

「確か…アルフォンスさん、でしたね」

「あぁ、彼とレンガルス君はよく似ていたよ。…おぉ、そうそう。ゴウキ君にもポケモンをもらっていてね。彼もまた顔に似合わないポケモンをくれたものだよ。お陰様で全然寂しくないから嬉しいよ」

「こおー」

「「(ゴクリン…!?)」」






今度はミルタンクに抱き着いてボヨーンと跳ねるミリの姿を視界に入れながら、三人の会話は進む


ハピナスとミルタンク。二人の脳裏に浮ぶのは、彼がウォッチャーとしてバトルに馳せ参じ、互いにバトルをし合ったあの時。エルレイド、アブソル、トゲキッス…どれもこれも強いポケモンを繰り出してきた中で、次の一手として繰り出してきたのが――――まさかの可愛い顔したハピナス(当時ラッキー)とミルタンク。我が目を疑った

正直言って、似合わない。不敵に見下す勢いにバトルに挑むレンの前に立つ、可愛い二匹。なんなんだ、このギャップは。白銀の麗皇のポケモンのメンバーを知っていた二人にはつくづく度肝を抜かれるばかりで、ぶっちゃけ前はゴツいポケモンばかりだったのに一体彼に何があったのか。全体的に可愛いポケモンになっているだなんて

そしてまたアスランの手によってボールから現れたポケモン、ゴクリンにも二人はただただ驚くばかり。ゴクリン、しかもまさかあのゴウキが。ゴクリンこそかなりのギャップなのに彼こそ本当に一体何があったんだと我が目を疑いたい。そういえば集会の時ゴクリンの単語が聞こえてきたが、冗談だろうと回りの皆と引きつった笑いを浮べていたが…どうやら彼は本気だったらしい。そもそも何故ゴクリン。他にもポケモンがいるはずなのにどうしてチョイスがゴクリンなんだ

緩んだ顔でのっそりとアスランの肩によじ登るゴクリンを、何とも言えない表情で見つめるシロナとダイゴだった







「にしても元気そうでおねーさん嬉しいよ〜。後でいっぱい美味しいポフィンやポロック作ってあげるからね!―――ねぇ、レンは元気?」

「ハピハピ!ハッピー!」

「…そう、それは良かった。彼が元気なら…それで良いや」

「…?ハピハピ、ハッピー?」

「ミルミル、ミルー?」

「うーん、あの子が居ないとハピハピやミルミルしか分からないけど……再会はまだしていないんだ。電話越しでなら会話は出来たけど―――……もしレンに会ったら、…ごめんねって伝えといてくれる?」

「…ハピハピ?」

「んー、色々あってね…この言葉を言ってくれたら多分勘の良いレンなら分かってくれる筈だよ」

「ミル、ミルー」

「ありがとう。……お礼にたっくさんのポフィン作ってあげるからね!」

「「ブーイ!」」
「ハピハピ!」
「ミルミル〜!」






「――――――………ミリ、遊んできていいわよ。勿論、私達の見える範囲内だったらね。時間になったら呼ぶから、声が聞こえる所にいるのよ。分かったわね?」

「…!はい、分かりました。それじゃちょっと行ってきますね!……白亜、黒恋、ハピナス、ミルタンク、行こう」

「「ブイ!」」
「ハッピー」
「ミルミル〜」

「気をつけるんだよ」

「楽しんできなさい」

「はーい!」

「こぉ、こおー!」

「わ、これ…ゴ、ゴクリン!?わわ、ゴクリン…ゴクリンだ!キャーーーーッ可愛い!この気の抜ける顔に弾力性のある身体!…よし、君も一緒に行こうか!今日はたっくさん遊ぶぞー!」

「こお!」

「「ブイブイ!」」

「いってらっしゃーい〜」












一人と五匹は花の絨毯の中へ駆け出した







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