「では、私は仕事に戻るとする。アスランさんによろしくと伝えといてくれ」 「分かった。仕事頑張ってくれよ」 「あぁ。………くれぐれも、ミリを宜しく頼むよ」 「勿論とも。…どうしたんだい?突然改まって。……何か気掛かりな事でもあるのか?」 「…いや、気にしないでくれ。―――…私の気のせいでいてくれたらいいが…」 「あらやだ。あと一円足りないわ」 気掛かりな、あの波動 ―――――――― ――――― ――― ― 「ミリ〜、飲み物買ってきたわよ〜」 「あ、シロナさん!」 「オレンの実をふんだんに使ったジュースよ〜!一緒に飲みましょう!」 「わ、美味しそう。ありがとう御座います、シロナさん」 「…おや?ゲン君の姿が見当たらないが…」 「ゲンなら仕事で帰りました。どうやら二人が会話に華を咲かせていたのを見て、彼も遠慮したのでしょう。ゲンがアスランさんによろしくと言っていました」 「そうか…彼には気を使ってしまったね」 「…あ、アスランさんの分のジュースも買っておきましたよ。どうぞ」 「おお、すまないね」 「んー、やっぱりオレンの実のジュース美味しいですね〜」 「でしょー?」 「ハピハピ〜」 「ブイブイ!」 「ミルミール」 「ブ〜イ!」 パタパタパタ… 「「ブイブイ!」」 「スボー」 「ロゼー」 「パチィー!」 「コロコロ」 「ビッパ!」 「ハッピー!」 「ミルゥー」 「「ブーイ!」」 「――――…あらあら、あの子達もう仲良くなっているのね。凄いわねー野生のポケモンも混じっているじゃないの」 「そうだね。あの二匹は人懐っこいから、きっと分け隔てなく仲良くなれる事が出来るんだろうね」 「ハハ、確かにね。この私にも懐いてくれて嬉しいよ。ついお菓子をあげたくなるよ」 花の絨毯の上で楽しげに戯れるポケモン達の姿を、買った缶ジュースを片手にアスランとシロナとダイゴは微笑ましそうに見つめる 広大で聳え立つテンガンザンを背景に、美しい花や緑に囲まれるソノオタウン。見渡すばかりの花の絨毯を白亜と黒恋が仲良く追いかけっこをし、二匹の姿をまるで母親の様に見守っているハピナスとミルタンク。楽しげに遊ぶ二匹の姿に混ざりたいと集う野生のポケモン達に四匹は笑顔で歓迎し、迎え入れ、輪になって共に仲良く戯れて 微笑ましく、そしてポケモンを惹きつけ分け隔てなく仲良く遊べる事が出来るイーブイ二匹の見えない力に感嘆の言葉を出す三人に、ミリは同意するも、しかし頭を振った 「今、あの子達はこうして仲良く皆と遊べる事が出来ていますが……前までは、違っていたんです」 「…違う?」 「前のあの子達は…それは目に余る程の人間不信で、勿論ポケモンにも怯えていて…信じる者は自分達しかいないっていうくらいに苦手で。今はこうして怯える事なく、むしろ人懐っこく笑っていますが……出会った当初と比べると本当に大違いですよ」 「…そう、だったの…全然見えないわ」 「………あの二匹にも、色々あったんだね」 「えぇ、でも今は笑ってくれている。…あの子達のパートナーとして、成長していくあの子達が嬉しいです」 生まれてからすぐにロケット団の監獄という実験に辛い思いを受け、強烈な心の傷を負い、人間やポケモンの真の手から必死に逃げてきた、半年前までの白亜と黒恋 ミリとの出会いによって、二匹は少しずつ変わっていった。実力やバトルの強さも然り、そして彼等二匹の心の強さも。前までは人間やポケモンを接する時もミリを挟んだりミリが認めている相手にしか心を開かなかったが、今の状況と昔の状況を見比べてみると、十分な進歩だろう 目の前で楽しそうにかけっこをして遊ぶ彼等の姿を、静かに見つめながら微笑を浮ばすミリ。慈愛を込めた優しいまなざしを向けるミリの横顔は、まるで母が自分の子供を見つめる姿に似ていて、まさに聖母みたいな優しい姿だった 「ハッピー」 「ミルミル〜」 「「ブ〜イ!」」 「……にしても、出会って初っ端こんなに懐く姿は初めて見たような…」 「おや、そうなのかい?」 「はい、普通だったら自己紹介し合ってから仲良くなるものなんですが………………ちょっと君達ウエルカム」 「ハッピー?」 「ミルミル〜?」 「「ブイ?」」 「………………………やっぱり、いや絶対このハピナスとミルタンク…確実に前に出会っている…ハピナスの大きさと耳と腰のふわふわの形具合、気の強そうな性格…ミルタンクの柔らかい体付きとほんわかした性格……うん、私の目が間違えてなければ会っている…」 「…よくもまぁそこまで分かるわよねぇ。皆一緒に見えるわ」 「流石ミリだね」 「それはそうとも、この子達は元々レンガルス君から譲り受けたポケモンだからね」 ( ´v`) ( ゜゜)………… ( ´v`) (゜゜ )………… ( ´v`) ( ゜゜)…………… 「そうだろう?君達」 「ハッピー!」 「ミルゥー!」 「「ブイ!」」 「キャアアアアアハピナアアアアアスミルタンクウウウウウウ会いたかったよおおおおおお!!!!」 「「ブイブーイ!」」 「ハピハピ!」 「ミルミル!」 まさかの再会 → |