バトルフィールドに迸る稲妻が嵐となって押し寄せるその中央に、何かが激しいバトルを繰り広げていた

稲妻が迸る電流や火花が散り、流れた電流は他方向に電線する。元凶でもある黄色の電流は双方交える事無く衝突しては激しい爆音を轟かせ、爆発を起こした。ブワリとステージ、否、この室内に強風と煙が立ち込めた





中央で争っていたポケモンは一旦引き下がり、その脚力で後退をした。バチリ、と稲妻を繰り出した存在の身体に電流が迸り、先程の名残を主張している。唸る獣は鋭い牙をむき出しに、その鋭い眼を眼前にいる敵に向かって睨み付ける。爆発が収まり、爆風も収まったバトルフィールは先程の荒々しい様子とは打って変わって静かになった






フィールドに立つのは黒い毛並みを持つ獣以外に、二人の人間の姿があった

一人はフィールドに浮かぶ燦々と輝く金色の髪を持ち、相手を睨むその瞳はスカイブルーの色をしている男

もう一人は金髪の男とは対照的に夜の月の様に静かに煌めく白銀色の長い髪を揺らめかせ、相手を睨むその瞳も対照的な色を持つ、ピジョンブラッドの色を持つ男がいた

彼等を前に立つ、同種である黒い毛並みを持つ獣―――レントラー。この二匹は、彼等二人のポケモン





口角を吊り上げ、白銀髪の男は―――笑う







―――――ドサッ…








レントラーの身体が傾き、地面に倒れ込む

それは金髪の男のレントラーだった。倒れたレントラーは身体を痙攣させながら、その目はくるくると目を回せていた。勝敗はもう分かりきった事で、相手のレントラーは高らかと咆哮を上げる







「レントラー戦闘不能。レントラーノ勝チ!





ヨッテ勝者、ミオシティノレン!」







機械審判の無機質な勝敗の音声が静かなフィールドに響き渡る

戻れレントラー、と金髪の男は倒れた自分のレントラーにボールを向け、赤い閃光と共にボールに戻す。対するレンもボールを取り出し、良くやったと労いの言葉をかけながらボールに戻した



吐き捨てる様に舌打ちをした金髪の男――デンジは、ギロリとレンを睨み付けた







「…生憎、俺のジムバッチをテメェに渡す分はねーよ」

「要らねぇよ。バッチなんざ興味ねーよ」












レンは、不敵に笑った






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