この光景も、日常になりつつあった 「ちょっとー、誰よ私のストロベリーのハーゲンダッツ食べちゃったのー!冷凍庫に無いんだけどー!」 冷凍庫の扉を開けたまま、目の前の閑散とした状況にシロナは嘆く 中に入っていたはずのハーゲンダッツ。自分の分として別に取っておいたハーゲンダッツが、忽然とその姿が消えてしまっただなんて。ただでさえ冷凍庫の中身が少ないから余計に閑散としていて いくらチャンピオンでもお金の収入には限度があるのよアレ意外に高いのよ一体誰が食べたのよ許さないわ!と食べ物の怨みは恐ろしいとばかりに燃え上がるシロナに、通り掛かったオーバがシロナの様子にビビりながら、そういえば…と口を開いた 「あー、あのアイスってチャンピオンのだったのか?ミリがイーブイ達に食べさせていたけど」 「あら、なら仕方ないわね。食べちゃったならしょうがないし、ミリなら全然構わないわ。後でミリに美味しいもの作ってもらおーっと」 「(ミリじゃなかったらどうするつもりだったんだ…!?)」 怒りでガブリアスを繰り出して攻撃してきそうなシロナに戦慄したオーバ。軽く命の危険を感じた瞬間 そんなオーバを前に、当の本人はルンルンとミリに食べ物のリクエストを考えながら今度は冷蔵庫を開いてゲンの板チョコを取り出していた 一方、リビングでは 「見てくれよゲン、最近ちかつうろで掘り起こした物なんだけど、中々綺麗な石を見つけちゃってさ!」 「君はまたそんな所に行って…」 「そしてこれなんてミリが採ってきたものなんだよ!初めてにしては上手に掘り起こせたと思うよ。まさかひかりの石を掘り起こしちゃうとは僕も予想外だったけど!イーブイ達も元気良くちかつうろで遊んでいてさ〜」 「まさか砂だらけになって帰ってきた原因は君だったのか…!?」 イーブイ達が砂や泥だらけになるならまだしも、ミリ本人も砂だらけになって帰ってきた時には色々と慌てたゲン 楽しそうにちかつうろで採集した物を見せてくれるのはいいけど、とりあえず服着替えようか、あ!怪我しているじゃないか!と、相変わらず母親っぷりを発揮していたゲンだった。その姿を遠くでダイゴが笑っていた事にはゲンはまだ気付いていない そして、隣りの部屋では 「ブーイVvv」 「ブイブイ!」 「おい、そこの白と黒。頼むからそこの配線いじんなよ」 「「ブイブイ!」」 「あ!言ってるそばからお前ら…!…サンダース、この二匹と遊んでこい」 「サン?サンダース」 「ブイ?ブイブイ!」 「ブイブイ!ブイ!」 「よーし行ってこい。そのまま夕飯まで遊んでこーい」 「「ブーイ!」」 「サーン」 何かの機械と機械の導線を繋げたり、装置にドライバーを使って器用に括り付けたりする作業を続けているデンジ 一体何の機械を作っているのかは分からないが、どうやら複雑な物を作っているらしい。どうせジムの改装の為に持ってきた一部の機械なのだろう。白亜と黒恋が何だなんだと遊びに来るも、壊されても困るのですぐさまサンダースを繰り出して二匹を任せて自分は機械造りに専念する事となる 「平和だねぇ」 そんな彼等の姿を眺めながら ミリは欠伸を噛み殺しながら、しみじみと笑った 「ミリー、私のアイス食べちゃった代わりに今日の夕飯はとびっきり美味しいカルボナーラがいいわ〜!デザートはミルクプリンもあったら嬉しいわー!」 「おー、だったら俺もとびっきり美味いペペロンチーノとか食いたいぜ!ミートスパでもいいぜ!あーなんか腹減ってきちまったじゃねーの!」 「ミリ、また今度一緒にちかつうろに行こうじゃないか!次は南のちかつうろに行って、もっと素敵な石を見つけようじゃないか!」 「その時は私も一緒に行かせてもらおうか。ダイゴはともかくミリが泥だらけでしかも怪我して帰ってくるなんて心配でしょうがないからさ。てかダイゴ少しは自重しなさい」 「おい、ミリ。そんな所に立ってないでこっちに来いよ。一緒にコレ作ろうぜ」 「「ブイブイ!」」 此処は相変わらず、平和だった → |