物語のページを開いて、 空間を開いた 様々な想いで蝶を探す者達で溢れているのがよく分かる 蝶は何処にいるのだろう 蝶はまだ夢を見ている 目が覚めるのは、まだまだ先――― ―――――― ―――― ―― 『――――戻ったわ。アレからどうなった?』 『おかえりなさい、フレイリ。状況は未だ変わらず、といったところです』 『どれどれ…あらあらあら。確かに変わってないわねぇ…事態も進展していなさそうだし、暫くこのまま様子見ね。まぁ私としたら平行線のままでいてくれたら続きの展開を途中から見る事なく見れるから有り難いけど』 空間に響く、二つの声 『…そちらは、どうです?見つかりました?』 『いいえ、残念だけど。此処一週間、この空間内の世界をくまなく探してきたけどダメだったわ。どうやらあの子、飛んじゃっているみたい』 『……?と、言いますと?』 『"過去夢"よ。まるで夢を見るように、あの子の意識が身体から抜けて過去へ飛んでしまう現象よ。この現象はあの子ならではのモノ…―――【異界の万人】の能力や記憶を引き継ぐには、とても大切な現象なのよ。時に、変な形で発動しちゃう場合があるけれど。てかあの子の場合殆どが後者だけど』 『……………』 『でもこの場合、あの子の身体が無いとなると………本当にあの子、身体ごと何処かの時空間に飛んでしまったとも考えられるわ。別名"時廻"…それが未来なのか過去なのか………また暫く探してくるわ』 【異界の万人】は唯一無二の存在 たとえ時空間に探したところでピンポイントにその時代を見つけ出すのは困難に等しい 今は消えてしまって感じない聖性の痕跡が、どこかにある事を願って 『……フレイリ、あの…』 『貴女はもう力はないの。当然介入なんてしちゃダメよ』 『………』 『……大丈夫、彼等を信じなさい。だってあの子が認めた子達よ?必ず、見つけてくれるわ―――あの、白と黒の可愛くてもふもふした子達をね』 『……はい』 ミリが残した忘れ形見 物語を繋ぐ大切なキーパーソン 彼等がこの忘れ形見を見つけない限り 物語は進まないだろう ―――それだけ奴等は、尻尾を掴ませないくらい徹底しているのだから 『――――……祈る事しか出来ないのも、困ったものです。せめて、私が出来る事としたら……』 キラリ、キラリ、キラリ 何処か遠くで三つの光が輝いた その光は一体何? → |