「徹夜をする為の徹夜による徹夜の三ヶ条ー(すっごく棒読み)





一つ、カフェイン投入しろ


二つ、気合いで起きろ



三つ、寝たら死ぬと思え






そうすればお前達も徹夜なんて余裕で行なう事が可能だ。あぁ、少しばかり気が遠くなる場合があるが安心しろ、人間そんな事で死ぬ事はない。悟りを開け、そうすれば夢と現実の境界線を通り抜けやがては走馬灯が垣間見れる。挙句の果てには三途の川の向こうで親父達が手を振っている姿も見れるかもしれないぞ」


「「ふざけろ」」










もはやそれは死の一歩手前


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――――――
―――












「―――…シラクモが死んでいただと?」

「あぁ」







警察庁や刑務所に連絡を入れに席を外していたゴウキが、手に資料を抱えて戻ってきた

そして、首謀者でもあり主犯でもある『彼岸花』のリーダーが既に他界していた事も知らされる事となる






「…死んでいたのか…」

「…おいおい、マジかよ」

「死因は脳出血だと。…生憎医学に関しては無知識なんでな、口で言わなくとも資料を見てくれればお前なら分かってくれるはずだ」

「医学と言っても俺は医者じゃないんであまり大きく言えないが…………どうやら本当に脳出血死で間違いないらしいな」






「脳出血」は、脳の血管が破れて出血し、脳の機能に支障をきたす病気だ

脳血管の出血は、まずその血管周辺の脳部位にダメージを与え、さらに出血した血の塊(血腫)が脳を圧迫し、脳の組織を壊すという二重の怖さがあるのだ

出血する部位やできる血腫の大きさで症状は異なるが、始まりはみな、突然の頭痛だ。続いて意識障害、半身麻痺が起こる場合がある。出血の範囲によっては脳幹部が圧迫され、呼吸困難や血圧低下も起こる。血腫が大きい時は脳がむくみ、頭蓋内圧が上がり「脳ヘルニア」を起こし、死に至る事もある






「体調に異変は無かった、と言っていたが…お前はこれをどう見る?」

「死亡推定時刻は朝方か……なら就寝時間後に症状が現れた筈だ。記録には眠る様にと書かれている…きっと本人も自分の症状に気付かないまま死んでしまった事になるな」

「シラクモ以外はまだ刑務所の中ってわけか…まさか事件簿だけじゃなくてカルテや収容記録を手に出来るなんて思わなかったぜ…」







脳出血の主な原因は、高血圧等で血管の壁が薄くなる事で起きる症状だ

影響は様々だが、飲酒や過労、ストレス等も含まれていくとされている



しかし、健康診断を受けてもシラクモは至って健康だった。飲酒は刑務所に入っている身なので除くとしても、過労は見られずストレスやその他の症状も見られなかった。もうじき高齢になる身であれど、監視員が見てもシラクモはまだ生きていけると思っていたのに、だ






「……やはりコイツも警察の仲間と同じ不可解な死を遂げる事になったと考えてもいいかもしれないな」

「……だが、奴等がどうやって手を下したかが引っ掛かる。不可解な死とはいえ、人間いきなり死ぬ事だってある。…奴等は一体何をした…?」

「シラクモが死んでいたとなりゃ、『彼岸花』だと思っていた奴等は…一体、何者なんだ…?」







疑問や疑惑、思うところは様々あるが―――シラクモじゃなければ、一体このシンオウに発生している怪電波はどう説明すればいいのか





他の団員だった者も、まだ刑務所の中だ。経歴や個人情報を見ても、こんなたいそれた事など出来るわけがないのだ

シラクモがいてこその、『彼岸花』

何処の組織も首領がいて成り立っている。それは変わらない。上の存在に惹かれて着いていく。それは力があるから着いて行く事で、元々の力が無ければ犯罪なんて犯せないのに







シラクモがまた主犯、又はシラクモが何処かで手を回していた、という疑惑の線は見事打ち砕かれてしまった







「ゴウキ、警察の立場から見て…模倣犯の可能性はあると思うか?」

「…いや、それは無いな。『彼岸花』は事件を起こす前に解決されている。…つまり、事件の前例がないのだ。前例が無ければ事件の確証もない。…仮に俺がこの事を言っても警察は動かない事は間違いない」

「そうか…」

「そもそも今回聖蝶姫絡みで発覚した事だ。俺達がこの件で動いたからこそ、気付かなかった事に気付けたんだ。動かなかったらきっと気付く事は無く、のうのうと生きていたに違いない」

「…それこそ他の奴等が気付けるわけが無いって訳か…違いないな」

「…とにかく、『彼岸花』が関わっている事は確かだ。模倣犯の事も考えて、俺達だけで調べを進めていく。―――異論は無いな?」

「「あぁ」」












全ては一人の少女の為に





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