「―――――…世間は隻眼の鴉の話で持ち切りだな。アンナからカントーまで噂が広まっていると聞いた。鴉もヒーローになった、という訳か。……ナズナ、まさかだと思うが…あれはお前の仕業か?」

「……記憶に無いな。ヒーローなど、俺には興味無い」

「フッ、そうか。なら…そういう事にしておこう。―――しかしシンオウを代表して、鴉には礼を言わねばならんな。…奴のお蔭でシンオウは救われたと同然だ。人々は鴉に感謝しているだろう」

「……―――――」








それは、数十年前の出来事


―――――――――
――――――
―――















「20XY年〇月〇〇日、

ハードマウンテンxx-Y地点

ポケモンレンジャーがパトロールの最中、二体の変死体を発見

遺体はすぐにコトブキ中央病院に搬送。歯形のDNAを照合したところ、遺体はミオシティのアルフォンス=イルミール(45)とユリ=イルミール(47)と判明


死因は出血死。野生のポケモンによる攻撃が致命傷になる」







「被験体情報...


*アルフォンス=イルミール(45)

ポケモンリーグ協会シンオウ支部情報管理課部長

出身はイッシュ地方
現在ミオシティ在中



*ユリ=イルミール(47)

元エリートトレーナー
現在主婦

出身はジョウト地方
現在ミオシティ在中


二人の夫婦仲は至って円満
仕事は真面目、周囲の関係も良好
特別二人に憎しみを抱く人間の線は無し

二人には18になる息子がいる」







「遺体周辺を調べてみるが、特別ポケモンが争った形跡が無く、血液反応も無し。ハードマウンテンは気候不安定で珍しく雨が降っていたのがあるのか、痕跡は流されてしまっていると判定

遺体の傷や歯形から見ても、かなり巨体のポケモンにやられたと予測。トレーナー業で腕をあげていた二人でもこの有様なら、かなり手強いポケモンに襲われたのではないか」






「死亡推定時刻は〇月〇〇日午後22時から午前3時の間。

〇月〇〇日、アルフォンスは休暇を取っていた事が判明。夕方の午後18時半頃、ミオシティで二人の姿を目撃したと近所の漁師が証言している。雰囲気がいつもより威圧が掛かっていたとも漁師は語る。その後、二人は東へと飛び立って行ったが、何処に向かって行ったのかは未だ明らかにされていない。」






「彼等に関わる人間のアリバイは合致している。殺人の見込みはほぼゼロになる」






「アルフォンスとユリが所持していたボールがひび割れた状態で発見された。急遽ナナカマド研究所で修復を頼むも、中にいたポケモン(合計11体)は既に命を落としていた。彼等のポケモンの中にはシンオウでは珍しいイッシュ地方のポケモンもあった」






「しかしアルフォンスが所持していた六個の内、一つのモンスターボールにはポケモンが入っていなかった。このポケモンの捜索に入るも、結局見つかる事は叶わなかった」






「20XY年〇月〇〇日、捜査を開始してから3ヶ月。これらによりこの事件は事故として処理する事とする」



















×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -