「〇月〇〇日、聖蝶姫がホウエンでチャンピオン就任が決まった。二週間しか経っていない経緯を聞き出したところ、面白い返答が返ってきて彼女らしい言葉に笑わせてもらった。ユリも聖蝶姫の就任を喜んでいた。彼女が就任した事はリーグの架け橋としても大きな影響になっていくだろう。仕事が忙しくなっていきそうだ」

「〇月〇日、今日も眼鏡を捜して一時間損した。結局また頭の上に乗せていた。二人がいたらぼろくそ言われそうだった…いいんだか悪いんだか」

「〇月〇〇日、コウダイさんのお孫さんが誕生した。一日中あのコウダイさんの顔が緩みっぱなしだった……あの顔はきっと忘れないだろうな…」

「〇月〇〇日、晩ご飯は焦げたシチューだった。ユリ…強火で煮込み過ぎだよ…美味しいからいいけど」

「同僚に同情され真顔で黒染めしろって勧められた。……俺の髪は白髪じゃなくて銀なんだよ白銀なんだよぁあああああ…」

「ゼルジース…アイツ大丈夫かなぁ…一人だと道に迷うから本当に心配だ…」

「〇月〇〇日、久々に聖蝶姫から連絡が来た。彼女は相変わらず元気そうにやってくれていた。彼女から連絡が来たと分かったものなら皆して詰め寄ってきたから会話を中断させられてしまった。まだ話したかったなぁ」

「〇月〇〇日、今日の朝ご飯は味噌汁ぶっかけご飯だった。ユリ…お前、手抜きしたな…」

「〇月〇〇日、今度は眼鏡を踏みつぶしてしまった…レンズは壊れなかったからよかったが、結局ユリに怒られて晩ご飯抜き。泣いちゃう」

「〇月〇〇日、ユリに部屋掃除しろって怒られた…泣く」

「真顔で「白髪に困らなくていいね」って言われた…だあああかあああらあああ俺の髪は白髪じゃなぁぁあああ」



(この後、似た様な内容が数ページ書かれていた)




「〇月〇日、衝撃な事件の内容を知らされた。聖蝶姫が事件に巻き込まれていた事を、アスランさんから直接電話で聞かされた。既に事件は解決し、彼女は無事にチャンピオンに復帰しているらしいが…心配だ。詳しい内容を聞かせてもらったが、明らかに不明な点が存在している。誰かが裏で手を引いている可能性が高い。リーグで葬った事件、その解き明かされなかった謎…もしかしたらまた彼女に、いや他の人達にも被害が及ぶ可能性があるのかもしれない。何故、敵は彼女を……。とにかく、彼女の為にも独自に調べあげる事に決めた」

「〇月〇日、シロナさんは本当に聖蝶姫の事が好きなんだなぁ。…正直二人が並んだらシロナさんの方が幼く見えるのは気のせい?」

「〇月〇日、言ノ葉を行なってみたところ、キーワードが足りなくて絞り込めなかったが、思わぬキーワードに辿り着いた。読み耽っていたらユリにログアウトさせられた。アクセスしてくれよ…とにかく内容に関してはとても興味深い。詳しく調べを進めるつもりだ」

「〇月〇日、今日も今日とて同僚に、今度はワカメを手渡された…汗が目に染みる一日だった」

「〇月〇日、仕事の関係で久々にトバリに行ったら案の定道に迷った。いい加減道覚えようぜ俺ェ…」

「〇月〇〇日、アンナさんが家に来た。今日も元気よく雪かきしてきたらしい。元気だなあの人…」

「〇月〇〇日、どうやら敵はまだ試作段階らしい。試作段階でこの結果…これはいち早く解決させた方が良さそうだ」

「しかしこの手口をしでかすとは…なんて非道な奴等なんだ。とにかく例の集団をもう一度言ノ葉をする必要あり」

「〇月〇〇日、Gがいた。これは本格的に部屋を掃除しなくてはならなくなった…」

「〇月〇〇日、どうやらあの例の集団にはカントーで騒がれている悪党集団が関わっているらしい」

「〇月〇〇日、カントー地方で騒がれている悪党集団の事が分かった。組織名はロケット団。ロケット団があの例の集団と手を組んだのだろうか?とにかく、ロケット団について調べを進めよう」









「ロケット団、か…」




ペラペラと捲っていくと、何度か出てくるキーワードとなる文字

文面には、他者が読んでも分からない様に遠回しに書かれている。しかしロケット団という文字を出している、と言う事は…アルフォンスにとって重大なキーワードだったという事になる

例の集団、とは一体何だろうか

世間に騒がれていた悪党集団とは別にいるのだろうか。しかし、レンの記憶の中では当時騒がれていた集団が他にいる噂は聞いていない







「〇月〇〇日、聖蝶姫がポケモンマスターになった事をアスランさんから意気揚々と連絡を受けた。彼女はやってくれると思っていたけど、本当にやってくれるとは思わなかった。その日のリーグ内はまさにドンチャン騒ぎだった。皆さん泥酔していた…俺は一口呑んでセーブしといた。お酒恐い」

「次の日、テレビやマスコミはまさに彼女を一面に飾っていた。すごいなぁ。ちなみに今日は二日酔いで皆ダウンしていた」

「……酒は二十歳からってレンに釘さしておこう……アイツ絶対酒強そうからな…逆にゼルは弱そうだけど」

「〇月〇〇日、ロケット団を調べてみたら、なんとあの集団は既に解散していたらしい。……と、いう事はロケット団の線は薄くなったのだろうか…」

「〇月〇〇日、今度は同僚にカツラを渡された…泣きたい…」

「〇月〇〇日、一年前に脱退したロケット団の一員に疑惑浮上。この団員があの集団と接触していたのではないか。調べを進めよう」

「調べを進めて見ると、彼は別の理由で脱退したらしい。言ノ葉をしたら本に鍵か掛かって閲覧出来なかった。彼にはきっと、何かがある」

「〇月〇〇日、脱退した彼とあの集団の関連性を見つけた。これは、きっとまたシンオウに牙を向けるのだろう。しかし関連性といえど過去の話だ、今は何も繋がっていない」

「〇月〇〇日、聖蝶姫が行方不明になった。俺も皆も愕然と、その場に動けなかった…」

「送別会が終わった後にきっと何かがあったに違いない。もしかしたらあの集団が彼女と接触した可能性があるのかもしれない。とうとう、アレが完成してしまったのか…!?」

「〇〇月〇日、未だ彼女の行方は見つからない」

「〇〇月〇〇日、世間から彼女の存在が忘れ去られていた。コウダイさんもジンさんも、彼女の事を心配していたのに全員忘れてしまっていた。……まさかこれも奴等の仕業なのか…!?」

「アレを作製した奴等の目的が分からない。キーワードが足りないから目的まで辿り着けない。…奴等は一体、何を目論んでいるんだ」

「奴等の占拠地が割り出せた」

「近い内に潜入して実態を明らかにしてみせる」

「〇〇月〇〇日、今日はカレーだった」











日記は此所で終わっていた





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