「ミリ〜」

「はーい?」

「ちょっとおいで〜」

「はーい」





数時間後......





「やっぱりミリにはこの服のコーディネータの方が似合ってるわよねぇー。ねぇダイゴ、あなたはどっちが好みかしら?」

「うーん、僕だったらこっちかな。ミリはシンプルな服を好んでいたからね、普段服も変装服も落ち着いている服がいいと思うけど」

「確かにそれは言えている。だがそれだと少し地味になってしまうんじゃないか?せっかくのスタイルが隠れてしまうと私は思うが」

「ゲンさんそれだと変装する意味ないだろ?あー、俺はその服にこの帽子被せれば似合ってんと思うぜ。…お、いい感じ。デンジ、見ろよ俺のセンスを!」

「…別に俺はコイツが着たい服着りゃいいと思ってんだがな。………レギンスよりハイソックスにしろ」





「……このデジャヴは何…」




―――――――――
――――――
―――










プルルル…



プルルルルルル…













ピッ



















「――――…もしもし、はい。俺です。お疲れ様です。こちらはお陰様で繁盛させて頂いていますよ。えぇ、今日も売上は好調です」








心地よいメロディーが流れる喫茶店の中


そこは先程、ゴウキとセキが秘密裏に対談の場として選んでいた、「リコリスの花」の店内




そこに佇む、バーテンダーの男










「―――先程の客の中に、面白い話をされていった方々がいらっしゃいました。えぇ、中々興味をそそる様な面白い会話を、ね。その中にはあの鉄壁の剛腕と…当時関わっていた最後の刑事です。えぇ、そうです








―――最後の生き残りです。仕留め損ねた、あの事件の謎に気付いた数少ない存在を、ね…」









黒い髪、黒いワイシャツ、黒いベストに黒斑の眼鏡をかけた喫茶店のマスターらしき男の口元には、不敵な笑み


ニヤリと口角を吊り上げた男は、静かに喉の奥で…嘲笑<わら>う










「―――…鉄壁の剛腕の向かう先は把握しています。当時ホウエン地方リーグ協会の幹部長を務めていたアスランの元へ向かうのでしょう。………彼は少々骨が折れると思いますよ。何せあの鉄壁の剛腕ですからねぇ。………手を下すとそれこそ気付かれると思いますが。…はい、まだ彼は気付いていませんからご安心を」








ですが、彼の事だから気付かれるのも時間の問題かもしれませんね

そう男は小さく息を吐きながらやれやれと頭を振る





しかし電話先の相手は男の反応と反して―――愉快そうに笑っていた









「―――後は貴方の判断に任せますよ。それまで俺は此所で高みの見物をしながら喫茶店運営をさせて頂きますから。…えぇ、また情報が入ったらそちらに連絡致しますので。……はい、ご命令はまた後ほどお願いします」









ピッ…










「さて…彼等は一体、何処まで謎を見つけられるのか……見物ですね」










男は小さく、嘲笑った








×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -