「ミリ、買い物行く時はちゃんと財布とポケギアを持って行く事。人にバレない様に変装もする事。それから知らない人には絶対に着いて行かない様にね。いきなりフラッてどっか行くのも駄目だからね。分かったかい?」

「了解しました!」

「よし、いい子。約束守れたら帰りに自分の好きなモノ買ってきていいからね(なでなで」

「!やった!ならハーゲン〇ッツ買おっと!んふふ〜、何味にしようかなぁー!」

「でもおやつは100円以上150円未満の範囲内までだから気をつけるんだよ」

「Σガ−(゜Д゜;)-ン!」








ハーゲン〇ッツは170円以上210円未満の単価


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「――――いやぁー、まさかあの事件を振り返る日が来るとは思いませんでしたよ。あ、コーヒーあざっす!此処の喫茶店一度入って見たかったんスよねぇー!なははー」






違う場所で話をしましょうか、と一度別の場所へ移動する事になったゴウキとセキ

警視庁本部から離れた近くの喫茶店へ二人は足を運んだ。賑わいを見せるコトブキシティ中にある喫茶店、店の名前は「リコリスの花」。コトブキシティでは有名な喫茶店として知られている。心地の良いメロディーが店内を和ませ、コーヒーの香ばしい匂いが鼻をくすぐる






「にしても師範長、この事件の事よくご存じでしたね。誰かに聞いたんですか?」

「窃盗事件を調べている最中にな。一通りの話は聞かせてもらった」

「あぁ…なるほどそーいう事ッスか。師範長の事だからきっと気になる所でも見つけてわざわざ調べに来たってわけッスね?」

「そんなところだ」






師範長らしいや、でもそこが師範長の良い所なんスよねぇー、と言いながらコーヒーを口に含めるセキ

けど、と言いセキはチラリとゴウキに視線を向ける






「話をする前に師範長、アンタに一度聞きたい事がある」

「何だ?」

「師範長は盲目の聖蝶姫の知り合いッスか?」

「…何故それを聞く?」

「なんとなくッスよ。……もし、師範長と聖蝶姫が知り合いだったら、俺はあの子の為、あの子の約束を守らなくちゃなんねぇんス」







「セキさん。この事件は闇に葬るべき事件です。…こんな事で、私は大事にさせるつもりは毛頭ありません。チャンピオンとして、一人の女として。セキさん達の活躍のお蔭で事件は無事に解決されました。…だからお願い、このまま誰にも言わずに闇に葬って下さい。…私の知り合いと呼ぶ人達には、特に」















「………………残念だが俺は盲目の聖蝶姫の存在を今まで知らないでいた。最近になって初めて聞き始めた名だからな…それにその頃は武者修行をしていた。…お前も分かるだろ?」

「えぇそりゃ分かりますとも!俺達の指導ほっぽって修行行っちゃうんスもんね!あの時はマジびっくりしたんスから!アンナ師範長めっさ厳しかったんスよ!?いやアンタも十分厳しかったけど!」

「だが武者修行とはいえ何度かそっちに顔を出しただろ?」

「いやいや!そもそも武者修行してるからって俺は聖蝶姫の事を知らないアンタにマジでびっくりッスよ!」






当時ゴウキは19歳、その頃から既にシホウイン道場は開業されていて、ゴウキ自身【鉄壁の剛腕】として活躍していた。ちなみに武者修行をしていた場所は極寒のテンガンザンと打って変わって火山がいまだ活動するハードマウンテン。しかもハードマウンテン以外にも自宅の隣りのテンガンザンだったりみかづきじまだったりこうてつじまだったり地下通路だったり挙句の果てにはオレンジ諸島だったりナナシマだったり様々←

情報が入らなかったのは至って簡単でシンプルだ。ゴウキという人間は集中しだすと時間を忘れて没頭してしまう人間だ。しかも煩わしくない為にか外界をシャットダウンもしてしまうのだ。人から来る電話さえも気付かないのがたまに傷

帰って来た頃は既に盲目の聖蝶姫の存在は忘れ去られていた。知らないのも、無理はないとゴウキを知る者は笑う


ま、まぁこの話はもういいとして…ゴホン。と言ってセキは仕切り直した







「―――師範長、あの頃の俺は研修の身だったとはいえ、下っ端扱いだった。アンタが誰に聞いて、何処まで聞いたかは分からねぇ。今から話すのはあくまで俺視点ッス。…それでもいいッスか?」

「構わん。事件簿が見れない今、頼れるのはお前だけだ。話だけでも十分に有り難い。聞かせて貰おうか」

「了解。本当なら他言無用なんスけど師範長には全て話しますよ。俺の知っている、あの事件の全貌と彼女の事を…―――」
















ゆっくりと、セキは口を開いた





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