「ミリ〜、あなたにお聞きしたい事があるのよ〜」

「はーい?」

「あなたどうしてそんなに料理がプロ級に美味しいのよ〜?」

「えー?そーですか?」

「そーよー。ちょーっとシロナさんそこんところ詳しく教えてほしいわぁ〜。誰かに教わったの?」

「ん〜誰かに教わった訳じゃないんですが…まぁ確かに私の料理伝授方法はおかしかったかもしれませんねー」

「おかしかった?あらあら、もしかしてスパルタ?ちょっと気になるわ〜!詳しく教えて頂戴!」

「そうですねー。とりあえずまず無人島で一ヶ月サバイバルナイフだけ持って目の前で大きな野獣やら魔物の魔の手から逃げながら『生きる』っていう意味を重々理解した上で生きる為に同じ命を取り込む事で『食べる』っていうイコールに繋がらせて、全ての大地の恵みに『感謝』をするってのが一番の通過点ですね〜。実際に色んな調味料を口に含ませて味を覚えたり毒のものだったら抗体を作って逆に対処させたり、この際薬草とか種類を覚えて漢方とか薬を作ってみたりしちゃって、技術面だと日本刀をどれだけ素早く且つ細かく綺麗に食べる大きさに切れるかがミソですね!それから……――――」

「あなたこの六年間一体どんな生活送ってきたの!?」









プロ級レベルの裏にはそんな話があったりした


――――――――
―――――
―――













苛ついている心を鎮めさせるには、躍起になる衝動をそのままに爆発させる方法と精神統一をして自分の心を落ち着かせる方法の二つの選択がある



人によって他にも様々な選択肢があるだろう。が、残念な事に自分の中の選択肢はこの二つでしかない。他に選択肢があるなら是非教えて貰いたいものだ。だがいくら教えてもらったとしても自分がそれで発散出来たと考えると話は違う

自分の中で最も発散出来るのは、やはり苛々対象となる人間をボッコボコにするか(バトルも含め肉弾戦も)、苛々対象となる人間に実力の差を見せつけて精神的に追い詰めてやるかのどちらかだ。もはやどうしようもないという言葉はこの際聞かなかった事にする。しかしそうでもしないとこの苛々は消す事が出来ない





初めてだった

こんなに自分苛々して周りが見えていない状態まで追い込まれるなんて





苛々をどうにかするには、やはり発散するに限る。そうでもしなければ幾ら冷静になろうとしても苛々が募ってしまい、自分を見失う場合がある

少しだけでもいい、数分でも何でも、この苛々をぶちかまさせてくれれば後はどうにでも出来る――――
















「―――…だからといって何故俺までお前の特訓に付き合わなきゃならないんだ」

「いいじゃねぇか。どうせお前も暇だろ?」

「アレで暇と見えるなら一度お前の頭の中に侵入してやりたいものだ」






ゴオォオオッッ!と耳に響き渡るのは現在猛吹雪で荒れ狂う暴風

此処は屋敷からそう遠くはない、テンガンザンの麓近く。野生のポケモンが住家にしてもおかしくない場所に、レンとナズナはいた



吹雪きが二人の髪を掻き散らし、服もなにもかも雪の暴風によって靡かせられている。…のにも関わらず、普通ならこの風で足も身体も取られる筈なのに二人は平然と言葉まで交わしているではないか。やはりシンオウ地方出身の人間はこの吹雪きの中でもそんなコートを着込んだだけの姿で居られるものだろうか。いや、この格好で居られるのは彼等だけだろう。一般市民とコイツ等を比べてはいけない















そして目の前には、激しい攻防戦が繰り広げられていた












×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -