「デンジさんデンジさん」

「ん、何だ?」

「オーバーさんのあの髪って、いつ頃からアフロなんですか?」

「あ?あぁ…アイツ俺と初めて会う前からアレだったぜ。アフロ」

「マジでか」

「お、そうそう。ミリ、良い事教えてやるよ。アイツの髪の中はな、何でも入るんだぜ。ズボッて頭に手ェ突っ込んで引っこ抜くとモンスターボールが出てくるんだぜ。しかも自分の手持ちのだぜ?斬新だろ?」

「マジでか!それじゃバトルになったらズボッてやってスポッてやってジュバッってやるんですね!確かに斬新ですねそれ!」

「むしろアイツの頭がモンスターボールだったりしてな」

「マジでか!なら顔が開閉ボタンですね!オーバーさんって凄い人なんですね!」

「まーな(笑」










「本当にオーバの髪型って面白いネタになっちゃうのね」

「確かに頭がモンスターボールは斬新だ」

「ボールの収納場所がアフロの中だったとは流石に気が付かなかったよ」

「よーし今からお説教タイムな」







アフロネタが面白い

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『―――…楽しみにしていたシンオウの旅がまさか立ち往生されて、しかも男女の縺れに発展していきそうだなんて、…………つくづくミリ君も大変なんだね』

「………巻き込まれそうな予感がするのは俺の気のせいだろうか」

『ハハハッ、君がそこにいれば確実に巻き込まれるのは目に見えているよ。良いじゃないか、若い者達の青春を眺めるのも。いやー私も是非見てみたいものだよ!…巻き込まれるのは遠慮したいが』








サラツキ研究所の一室

数あるモニターがある内の一つに、ふたごじまの研究所から中継でカツラが映し出されていた







『で、レンは大丈夫なのかい?』

「宣戦布告をされた様なものだからな、相当キレていた。…今テンガンザンで武者修業をしているんだろう。先程地響きが轟いたからな、多分」

『ハハッ、彼は本当にゴウキ君の言う通り反発心で向上するんだね。そういうゴウキ君は?彼も大丈夫かい?』

「ゴウキか?あぁ…アイツもシロナさん達の行いを良く思っていなかったが…」

『いやいや、彼もレンと一緒だよ。きっと内心複雑なんだろうね。レンとゴウキ君にデンジ君達……うーん、これぞまさに修羅場だね』

「あぁ、そういう事か……確かに修羅場だな。ゴウキもまだ若者の一人だからな。そう言われてみればゴウキの奴、より熱心に仕事に乗り出していた。…アイツもまだまだ若いな」







しみじみと、此処にはいない弟を思い出しながらナズナは言う


武道に勤しんだ事で真面目で勤勉で誠実な人間(厳格もあるが)になってくれたが、恋沙汰に疎くその話すら散らすかせなかった弟も、ミリと会った事で変わってくれたんだと、弟の成長を静かに喜ぶ

口調は厳格、表情筋が堅く、相手を見抜く鋭い眼。女性にとっても同年代にとっても近寄りがたい雰囲気を持つゴウキにも、彼女の出会いをキッカケに変わってくれるに違いない



と、願っている←










『そこにナズナが加わっていればそれこそ面白い事になりそうなんだけどね』

「いや、何故俺がそこに入るんだ」

『君も私からしてみれば立派な若者の一人さ。君こそあの修羅場に入ってもおかしくないのに。そうやって遠慮していると本当に婚期逃してしまうぞ』

「………何処かで聞いたぞそんな台詞を…!」

『早く君の子が見たいものだよ』

「話が飛躍してるぞカツラさん!」

『ナズナのお嫁さんは一体どんな人なんだろうね。ナズナ、結婚式には必ず呼んでくれよ!シンオウまで楽しく行かせてもらうからさ!』

「…や、もう何も言わないでくれ…」






結婚とかまだそういう考えがないナズナにとって、婚期だとか結婚とか嫁さんだとか早くしろとばかりに言ってくるそれらは正直耳に痛い

元とはいえ科学者並びに学者と言うものは研究が恋人と言ってもいい。その為婚期が遅れたり独身が多い。自分の亡き父は自分が生まれた時はそれなりの歳だったからまだしも(ゴウキの場合は晩婚)、自分の知っている当時の研究チームメンバーや友などまさに独身一直線だった。というか出会いが無いのも原因だが、本人がそういう気持ちになっていない事も原因だ

カツラの場合は研究とジムに没頭し過ぎて愛想尽かされて出て行ってしまったのだが、彼の沽券に関わるというか触れてほしくない内容なので触れないでおく








『ハハッ、とにかくそういう話だったらおじいちゃんは手の掛かる孫達をのんびり見守らせてもらうよ』

「おじっ………孫ってもしかして俺も含まれているのか?」

『勿論。長男がナズナで次男がゴウキ君で三男がマツバ君で末っ子がミリ君だ。ミナキ君はマツバ君の友人設定、レンはミリ君の恋人設定ってマツバ君が言っていたよ。いやー考えてるね〜ハハッ』

「……バラバラな兄弟だな。性格とか顔とか全て」

『でも満更じゃないだろう?』

「………そうだな、悪くない」








やけに手の掛かりそうな弟妹ばかりだな、とナズナは隻眼の眼を細めながら小さく笑う。もしそうであればきっと毎日が楽しいに違いない



………だが妹巡って次男&三男VS恋人の激しい争いが繰り広げられそうだ。いやマジで←

そして巻き込まれたら確実に死ねる←←







『おじいちゃんが倒れるまでには孫を見させてくれよ長男!妹に先越されてはいけないよ長男!長男の意地を見せるんだよ!』

「カツラさん貴方絶対楽しんでいるだろ!」









そうであったら、いいよね





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