「うん、やっぱりあの時ミリちゃんの旅を許さなかったらレンに会わないでレンの毒牙にかからずレンに寂しい思いなんてさせなかったに違いないよお兄ちゃんは自分の選択を間違えた事にすっごくショックだよ!」

「(またもや突然と…)」

「その気持ち、よく分かるぞマツバ!そもそもレンはあの時息の根を止めておけば良かったのだ!そしてもう少し時期を先延ばしにしてもらえたらまだミリ姫は此処にいてくれたものを…!第一レンの癖にミリ姫の約束を破るなんてミリ姫が許しても私達が許さない!」

「(まぁそれは一理あるが…)」

「ここは僕のゲンガーで悪夢を見させてじわじわといたぶらせようかなあははは面白いしあはは」

「それはいいな。そのまま破局してしまっても私達は全然構わないのさハハハッミリ姫を泣かす奴にミリ姫を渡してたまるかハハハッ」

「(レンもミリ君も大変だな…)」









顔は笑っているけど目はマジだった

――――――――
―――――
―――














やっと帰って来た、愛しい蝶










六年間、ずっと待っていた


…いや、"ずっと"は語弊だ


俺はアイツを忘れていた。何でアイツを、ミリを今まで忘れていたんだと思い返す度に自分自身に憤りを覚えてしょうがない。紛れもない真実、けど今はしっかりとミリを覚えている



声も、仕草も、匂いも、思い出も、全て






ミリは帰って来た

ミリは生きてくれていた

―――しかし、記憶を失って






でも、そんなの関係ねぇ

生きている。それだけで十分だ

記憶なんてゆっくり思い出していけばいい。記憶喪失がなんなんだ。俺はミリさえ生きて、ミリさえいればそれだけでいい







またあの頃の様に

笑いあえたら、それだけで











ミリは帰って来た

珍しい白と黒のイーブイを連れて


六年振りに見たアイツは変わっていなかった。いや、変わったとすれば前より元気な所くらいか。それ以外は全然変わっていなかった。声も仕草も匂いも、俺達に一線置いている所も(まぁアイツにしてみれば初対面みたいなものだからしょうがねぇが





嬉しかった

本当に、帰ってきてくれたんだと






これでまた、あの頃に戻れる

ナギサで俺達三人で、一緒にいられる日を

今度は他の奴等と一緒に、ミリと一緒に笑って、失われた時間を取り戻す為にもゆっくりと時間を掛けて





…あ、でもオーバは要らねぇや←

アフロが移る(移らねぇよ! byオーバ











「―――デンジ」


「―――デンジさん」











もう、手放さない

―――ミリが行方不明になると分かっていたら、あの時引き止めれたのに





もう、失わせない

―――記憶も本人も、絶対に消えさせはしない











帰ってきた、愛しい蝶




お前が無事で本当に良かった

これからは俺達が、俺が

お前を守ってやるからな





…………そう、だから












「――――――…………、は?お前とミリが恋人同士だと?レン、お前妄想でもしてんのか?そろそろお前現実見ようぜ。ミリはなぁ、―――俺が貰うんだよ誰がテメェなんかに渡すかよマジお前いっぺん死にやがれあ゛ぁあ!?」

「そうだぞレン!お前も言っていい事と悪い事があるんだぞ分かってんのか…―――Σっておいデンジテメェも聞き捨てならねぇ言葉言ってんぞ!?」

『ハッ!テメェこそ夢見過ぎじゃねぇのか?ミリはもう俺の大事な女なんだよテメェなんかに誰が渡すかよ寝言は寝て言えお前がミリの恋人とか地球がひっくり返ってもないわ現実を見るのはテメェの方だ!』

「ハハハッ、ゲン今なんかとても面白い言葉を聞いた気がするんだけど、これは僕の幻聴かな?かな?」

「ダイゴ、私も今変な言葉を聞いた気がするよハハッ。あれ、なんか分からないけど今無性にレンをボッコボコにしてやりたい気分だよハハハなんなんだろうね今かなり虫の居所が悪いよハハッ」

「ちょっとちょっとゴウキ!それ本当に言ってるの?あのレンガルスとあのミリが恋人!?恋人同士!?キャー!いい事聞いちゃったわー!落ち着いたらゆっくり話を聞いちゃおーっと!」

『…………おいゴウキ、色々と大丈夫なのか?』

『…大丈夫じゃないな』










とりあえずレンお前一度くたばれ





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