ポケモン凶暴走化現象

そしてミリが行方不明になってから

早くも―――…一週間が経過してしまっていた





蝶は一体、何処へ行ってしまったのか

そして、蝶を探す者達は今何をしているのだろうか




ページを開こう、空間を覗かせて

蝶はまだまだ、夢を見続けている






――
――――
―――――――…










「おめでとう。君も晴れてホウエンチャンピオンだ。これがチャンピオンマントだ―――受け取ってくれ」

「ありがとうございます」






シンオウ地方と比べ、シロナの言う通りとても暖かい地方にある、ホウエン地方


私は先程、ホウエンチャンピオンになった


ホウエンに着いてから二週間。まさか数日後にリーグ大会があるなんて予想外で、慌てて急ピッチでバッチを取得していき、滑り込みでリーグ参加をした私達。皆には本当にありがとうの言葉ばかり。お陰様で無事にリーグ大会を優勝して、晴れて私はホウエンチャンピオンになる事が叶った

本当に皆には感謝の言葉しか出てこないよ




今私がいるのはホウエンリーグ内部。目の前にいるのは此処のリーグの責任者、つまり幹部長の方だ。声の声色からして温和で優しそうな人だ

これから私は、この人にお世話になっていく






「似合っているよ。立派に見える」

「ありがとう御座います」

「君もこれでチャンピオンになったわけだけど、チャンピオンという職は簡単になれるものじゃないし、職自体大変な仕事だ」

「分かっています。チャンピオンは皆の夢、チャンピオンはリーグの象徴。私はチャンピオンになったからには、ホウエンチャンピオンとして職務を全うしていきたいと思っています」

「ハハッ!そう言ってもらえると嬉しいよ。――…君の噂はかねがね聞いていた。盲目の聖蝶姫、君がこの地方に来てくれた事を光栄に思うよ。私は君を全力でバックアップしていこう」

「心強い言葉、ありがとう御座います」








チャンピオンは簡単になれるものじゃなければ、大変な仕事

上に立つ者、それ相応の覚悟が必要だ

大丈夫、私はそういうのには慣れている。伊達に【女帝】と呼ばれていないし、どんな事があっても、どんなプレッシャーだろうが、私はけして負けない。私がまずしなければいけない事は、もう見えている






「私はどんなことがあっても君を支えていこうと思っている。衣食住も兼ねてね。もし分からない事や困った事があったらいつでも言いなさい」

「はい」

「そういえば私の名前を言っていなかったね。私の名前は"アスラン"だ。気軽にアスランと呼んでくれ






よろしく、新ホウエンチャンピオン―――ミリ君」

「アスランさん、お世話になります。よろしくお願いします」














聞こえますか?シロナ、皆


貴女達と交わした約束、

無事一つ目を、果たす事が出来たよ







(蝶はまだ、夢に浸る)



×
「#ファンタジー」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -