「ブイブーイ!」
「ブイ、ブーイ!ブイ!」

「サン、サンダーッス」
「ブイ!ブースター!!」






ころころころ

ぱたぱたぱたぱた


ころころころころころころ

ぱたぱたぱたぱたぱたぱたぱた






「おー、仲良くやってらぁ」

「良かったねー、お兄ちゃん達と仲良くなれて」

「アイツらも弟分と妹分が出来て嬉しいんだろうな」




――――――――
―――――
―――













知らない番号から掛けてきた相手は、今一番に心配していたミリ本人からだった







『ゴウキさんのばーか』

「(第一声がまさかのそれか)」

『ばーかばーか、別に怒っているわけじゃないんですよ?えぇ、別にぃ?忘れ去られたくらいで怒っちゃうだなんて私そんなに心狭くありませんから大丈夫ですよ〜…ゴウキさんのばーか』

「(怒っているな。確実に)」

『ばーかばーか、ゴウキさんの髪の毛バッサリ切っちまえーばーかかーば』







ポケギアから聞こえてくる声は確実にミリのものだ

一ヶ月振りに聞いた馴染みある声。相変わらず優しく慈愛のある声色は自分の耳に心地よく鼓膜を震わせる。久々に聞いた限り彼女が無事にシンオウに着き、元気でいてくれているのが分かる

…が、まぁ、予感はしていたが、やはり彼女は怒っていた

理由はすぐに分かった。いや、分かっていた。自分が彼女に一回も連絡しなかったせいだ。元々自分がこういう状況に(レンを強制送還)させたんだ、彼女に連絡するのは当たり前だったのだが…言い訳がましい話、盲目の聖蝶姫とリーグ集会の関係が重なり彼女に連絡するのを忘れてしまったのだ

ゴウキだけではない。彼女の彼氏のレンも、ナズナも。彼氏である君が何故連絡してやらなかったんだ!とカツラやマツバとミナキにこっぴっどく叱られたレンであったが(その為かなり落ち込んでいた)(気がハンパじゃなかった)、それはゴウキにも言えた話なのだ。自分こそが連絡すべきだったのだ。実際に彼女に言ったから、言ったからこそ彼女はこうして怒っているんだ


きっと電話先では、ムスッとした不機嫌そうな顔をしながら話し掛けてきているんだろう。自分達の前だけに見せてくれる表情を浮かべるミリを想像し、ゴウキは小さく笑った






「舞姫、久しいn―――」



『すげぇな、あのゴウキさんに馬鹿連発しやがった』
『あの鉄壁の剛腕に馬鹿連発する人はそうそうにいねぇな』
『ばーかばーか!もうゴウキさんなんてしらないんだから!…と言うわけで、シロナさんパス』
『はいはい。ゴウキ、こんばんはシロナよ〜』



「―――…何故舞姫の所にお前らがいるんだ」







聞き覚えのある声がポケギアから流れてきた

一体誰なのかだなんて声を聞けばすぐに分かる。ゴウキは眉を潜めた







『あら?伝えてなかったっけ?今日ナギサシティに到着したミリを引き取りにきたのよ。私の他にもオーバとデンジ、それにダイゴやゲンも居るわ』

『ばーかばーか。ゴウキさんのばーか』

『それでミリの知り合いにシンオウに無事着いた事だけでも伝えなさいって連絡させたのよ。ゴウキ、あなたミリに何かしたの?さっきから可愛い行動ばかりしているんだけど。まぁ見てて面白いから全然支障ないんだけどね』

『ばーかばーかゴウキさんなんてぶわぁーかぶわぁーかぶわぁぁぁぁっっっかぁぁぁぁぁぁ』

『でもちょっと暫くお口チャックしてね』

『むぎゅっ』

「――――………」







…なんということだ

本当に奴等はシンオウにやってきたばかりの彼女を拉致り、しかも軟禁させようとしているだなんて

彼等の本意は違っていたとしても、リーグ関係者の、しかも最も盲目の聖蝶姫と親しい間柄な顔ぶれが揃っている。集会の場にいたからこそ彼等が危ないと察知していた。だからあのような台詞(〜自宅にゴクリンをetc)を言ったのだ

そもそもミリは警戒心の強い女だ、そう簡単に捕まる筈がないと踏んでいた。奴等が接触する前にこちらで早めに再会しようと考えていたのに、だ







…シロナだけが隣りにいるならまだ許されるが、他の男数名がいるなんて…―――











「――――……おいゴウキ、一体誰から連絡着てんだ?こっちまで声が聞こえてんぞ」

「えらい楽しそうだな。映像付けて連絡取り合えばいいじゃないか」


「(この男が許す筈がない!)」








タイミング悪く二人がやってきた





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