「ちょっとちょっとミリーーーーーッッ!」

「Σおふっ!?」

「会いたかったわ!本当に本当に会いたかったわ!六年間もずっと行方不明だったのよすっごく心配したのよ?でも生きててくれて本当に良かったわ!…あら?服変わってない?あのオレンジの服もすっごく可愛かったけどこの服も落ち着いていて可愛いわよ!て・い・う・か!あなた本当に全然変わってないわね!?ちょっとあなたどういう事よまだピッチピチとか羨ましいじゃないの!若作り!?信じられない!どうやって若さキープ出来るのか教えなさいよ!ずるいわよ一人だけ年取っていないむしろ若返っているなんて酷いわ!」

「(ええぇええ一体この人何ーーーーッ!!!!)」

「あ!目、治ったのね!私と目がしっかりあっているじゃないの!嬉しい!これで沢山素敵な物を一緒に見る事が出来るのね!もう六年前連絡寄越さないで行方不明になってずっと私達に心配かけた事はもう許してあげるわ!無事でいてくれただけで十分なんだから!―――と、言う訳でこれから一緒にトバリに行ってショッピングを楽しもうじゃないのミリ!」

「何が"と、言う訳だ"だよチャンピオン!これからミリはナギサを回るんだよ!ショッピングは別の日でもいいだろ!?」

「嫌よ私と一緒にショッピングに行くの!ナギサは別でもいいでしょーが!そもそもあなた達三時間も一緒にいたじゃないの!とっくのとんまにナギサ案内してるんでしょ!?」

「その二時間はナギサで鬼ごっこするハメになって案内もろくすっぽしてねぇんだぞ!?」

「鬼ごっこ!?あなた達もしかしてミリと『あはは〜私を捕まえてご覧なさ〜い』『ははっ、待てよ〜』みたいな…そんな甘酸っぱい青春の一ページを満喫していたの!?」

「(そんな甘酸っぱい青春なんて満喫してませんけどーー!!!!むしろ遊んでました必死な皆様見て笑ってましたけど!!)」

「…まぁ、間違えてないな」

「最後は浜辺で鬼ごっこしてたしな」

「けどこれが甘酸っぱい青春の一ページと数えたくないな…」

「案内していないとか言っておきながらちゃっかり楽しんでいるじゃないの!」

「シロナ、いつものでいいか?」

「あ、お願いしますトムさん。ミルクたっぷりで!…あら、それチョコレートパフェ?少し分けて頂戴!んもう聞いてよミリ〜、リーグの仕事が大変だったのよねー」






今度は金髪美人、シロナが現われた

扉を壊さんと言わんばかりの力で開き、視界にミリが写った瞬間にはミリを抱き締めていた。それはもう素晴らしい瞬発力だったとミリは語る。豊満の胸にミリを押しつけながら窒息する勢いの抱擁だった。しかしこれで死んだら悔いはないと後にミリは語る←

というかまさかのシロナ登場にミリは驚きを隠せない

船の港でシロナを認識済みだったが、捕まるまで最後シロナの姿を見る事はなかった。一体何処に行ったのか、と疑問に思うもさほど興味もなく鬼ごっこを楽しんでいた為シロナの存在を忘れてしまっていたのだが

しかしまさかのシロナが。あのシンオウチャンピオンのシロナが。近くで見れば見る程魅力あるあのシロナが(しつこい

ただでさえダイゴとゲンとデンジとオーバの四人のキャラが濃いのに、濃い色を被せる濃い色が、彼等を圧倒する濃いキャラがまたやってきたなんて。ミリはもうどうにでもなれと放棄した(いやするなよ






「しかしシロナ、君と別れて三時間しか経っていないが…リーグ関係者じゃない私が言うのもアレだがタマランゼ会長やリーグ大会の仕事は大丈夫なのかい?」

「確かにそれは僕も思ったよ。リーグ施設建設や会議とか色々あるから一日掛かるはずなんだけど…」

「その件について安心してちょうだい!今回はタマランゼ会長のお迎えだけだったし、最終的にはゴヨウに全部押しつけたから!」

「Σ安心出来ねぇよ!つーかゴヨウさんに押しつけちゃ流石に駄目だろ!?」

「だってー、せっかくミリがいるんだもん」

「いい歳して"もん"とか言うな"もん"とか」

「…ゴヨウも苦労してるんだな…」






もう何このキャラ濃過ぎる

この時点で自分のキャラが薄れていく気がする。ここまでの時点でよく分かるのはシロナはお茶目で髪の毛拭いたゲンは過保護なお母さんで自分のパフェつっつくダイゴは甘党だったりデンジは停電王子痺れるナギサのスターニートという公式設定でオーバの名前のイントネーションが「オーバー」ではなく「大葉」だったり。いやオーバの方が一番びっくりした。いやマジで。気をつけないとオーバーって言いそうだ




………というかそろそろ話を切り出した方がいいのかもしれない。この混ざりきれていない濃い色をしたキャラ達に流されちゃいけない。それにポケモンセンターに行って泊まる場所を確保していかないといけないし白亜と黒恋のおやつも用意しないと、等々

こんな所で道草を食っちゃいけないはず。本当に自分ってその場のノリで合わせてしまうから自分が状況分からず変な話に発展してしまうんだから。自分の悪い癖だ。ミリは明後日の方向を向いた






「――――お前達、もうそこら辺にしておけ。彼女も何がなんだか分からない顔をしているぞ」











今まで黙っていたトムが静かに口を開いた





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