「お!見てよあそこのクレープとても美味しそうだよ!よーし買っちゃおっか!」

「ブイブイ!」

「おお!あっちには美味しそうなコロッケ屋さん!手軽に食べられるコロッケは庶民の味方だよねー。アレも買おっと!」

「ブイブイ!」

「おおお!アレが噂のナギサのシンボルとも言える発電所かぁー。……ん?なんだアレ………!うひょー凄いよこれエスカレーターになってるよ!地面がエスカレーターみたいだよ凄いよコレ!あは!コレ家で運動するランニングマシーンみたい!ウケるー!」

「「ブイブイ!♪」」










かなり楽しんでいた


―――――――
――――












船が無事にナギサの港に着港し、待ち伏せしていたらミリと再会するも隙をついてダッシュで逃げ出し慌てて追い掛けて、約二時間が経過した


時刻は午後の四時を過ぎた。まだまだ空は明るい。キラキラと青い海原がナギサを美しく引き立てている。空はキャモメが空をかけている。とても良い天気だ。浜辺で小さな親子が仲良く散歩をしている姿が見える

さて、二時間前逃げ出したミリを追い掛けて行った彼等四人は何しているのかと言うと―――








「コラァアアアアアッ!待ちやがれぇえええーーーーッッ!」

「いい加減諦めやがれぇえええッ!」

「くそっ!すばしっこいっていうか逃げ足が速いっていうか!」

「とにかくまず止まってくれーーーーッッ!」






浜辺でリアル鬼ごっこをしていた






「あはー!鬼さんこちらー手の鳴る方へぇ〜〜だ!」

「「ブイブイ〜♪」」







ナギサの西海岸に、彼等はいた

海の波がなだらかに上がる浜辺に、一人の女を追い掛ける四人のいい歳した成人男性。頭と腕に白と黒のイーブイを抱えていても砂浜に足を取られる事を知らない軽やかな足で、それはもう楽しそうに逃げている。対するいい歳した成人男性四人は砂に足を取られながら頑張って女を追っかけている。とても、必死だ。そしてとてもシュールだ。爽やかな印象を与えたりクールな印象を与えるイケメンの顔が丸潰れだ。むしろ今を馳せるジムリーダーが、四天王が、チャンピオンが、たかが一人の女によってたかって追い掛ける姿は到底見せられる物じゃない。いやマジで









「―――………おとーさん、あの人ってナギサのジムリーダーと四天王の人だよね?なにやってんのアレ。なんでいいとししたおとこの人が一人のおんなの人追っかけてるの?」

「君はまだ知らなくていいぞ。あーゆうのは君がもっと大人になって、大切な人が出来たらアレをしなさい。喜ぶから」

「ふーん。ねーねーおとーさん、アレって何かボク知ってるよ!"だんじょのもつれ"でしょ!"しゅらば"なんでしょ!おとこのしっとはみにくくておんなはおそろしいんだよね!おんなは"ましょう"だから気をつけなくちゃいけないんだよね!」

「うん、まずお父さんはどこでそんな知識を知ったのかを君にすっごく聞きたいんだけどね」











「ブイブイ〜♪」

「ほらほらオニイサン達そんなんじゃ私に追いつかないよ〜!」

「ブーイ!♪」

「あはー伊達に何度も砂浜や道端や街でリアル鬼ごっこしてないからねー!今や私に敵はいないのだー」

「「ブーイ!♪」」









あっはっはっはっは〜〜










「…こうなったら仕方ない」

「そうだね」

「この手は使いたくなかったがな」

「しょうがねぇよ」






カチャ…




















「ボーマンダ!りゅうのいかりで怯ませろ!」

「サンダース!アイツの行く手を阻めろ!十万ボルトだ!」

「ブースター!サンダースの後に続け!かえんほうしゃ!」

「メタグロス!彼女が怯んだ隙にサイコキネシス!動きを止めるんだ!」





ゴォォォォォ

ビリビリビリビリ

ブシャァァァァァ

ヒュワァァァァァ







「は?え、ちょ……マジ?」

「「ブイィィイィイ!!!???」」








チュドーン





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