妙で失礼なエリートトレーナーの二人に絡まれたすぐに、

一匹の白いイーブイが自分達の回りをグルグルと回り、キラキラとした目でこちらを見上げ、後を追うように黒いイーブイが追っかけていた


………何なんだ、この状況








「ブイブイVvv!!!!」

「あら、可愛いイーブイ達だわね」

「ブイィィイイッ!!!!」

「白と黒…珍しい色をしてるね」

「白いイーブイの視線が何処となく熱いのは気のせいか…?」

「つーか誰のイーブイだ?」

「それ以前に何で俺達を囲んで追っかけっこしてんだ?」

「ブーイ!ブイブイVvv!!」

「ブーイィィイイッ!」







珍しい色をしたイーブイだった

イーブイの鳴き声が聞こえたと思い視線を階段に向けたら白くて小さくてモコモコした小動物がキラキラした表情でこちらに向かってやってきて、白いイーブイを止めんとばかりに今度は黒いイーブイが追っかけてきて、二匹はそのまま勢いを殺さずグルグルと囲んで回り始めたのだ

白いイーブイの視線が熱いのは気のせいか、黒のイーブイの表情が必死に見えるのは気のせいか、いやいやそもそもこのイーブイ誰のだよと色々ツッコミたい所。しかし見てて面白い為暫く放置。愛くるしい姿に少なからず癒されている彼等だったりする






「ブーイィィイイッ!」

「ブイブイVvv!!!!」

「さて、君達の主は一体誰なのかな?」

「つーかまえたっ!」






だがしかし、そのままにしておくのも面白いし可愛いがこちらには大事な用事がある。ダイゴはその場にしゃがみ、丁度目の前を通り過ぎようとした白いイーブイを捕まえた。ピシリッと玩具みたいに固まるイーブイだったが、視線を合わせた瞬間、目がハートになった。なにこれウケる

シロナも目の前を通り過ぎた黒いイーブイをタイミング良く捕まえて腕の中に仕舞い込む。白いイーブイに視線を向けたままじたばたと暴れ始めるが、黒いイーブイとシロナの視線が合った瞬間、黒いイーブイの身体に矢が突き刺さった。目がハートになった。なにこれウケる






「あらダイゴ、その子ダイゴにやられちゃったみたいだわよ?モテる男は辛いわねぇ〜」

「そういうシロナさんの方もメロメロにやられたみたいじゃないか。君も罪な人だ」

「「ブイ〜Vvv」」

「ハハッ、同じ顔が目をハートにしてブンブン尻尾振っているね。可愛いイーブイだ」

「俺達のイーブイもあれくらい可愛げがあればよかったのにな……噛み付かれた記憶が鮮明に浮かんでくるぜ」

「言うなデンジ」






アニマルセラピー如く、目をハートにし尻尾をブンブン振って撫でれば気持ち良く喉を鳴らす二匹に全員は癒された。可愛い!とシロナはギュゥッと黒いイーブイを抱き締めればケラケラと笑われ、またその可愛さにシロナは沢山撫でる。それよりもシロナ、お前仕事はどうした


さてさて、十分に癒された彼等は此所で本来の目的を思い出す







「「ブイ〜Vvv」」

「君達、一体誰のポケモンなんだい?」

「野生のポケモンじゃないことは確かだろうね」

「違いますよー」

「あら残念。この子ゲットして可愛くおめかしさせたかったのに」

「イーブイは人形じゃないぞチャンピオン」

「でも着せ替え人形にしたいくらい可愛いですよね〜」

「本当にね〜。このふわふわもこもこしている毛並みも抱き心地も最高よ!」

「つーかこの白いイーブイの熱い視線がなんで俺にこないのかすっげー気になる」

「アフロだからだ」

「テメェデンジ殴るぞ!!」

「いやいや、アフロでもそのアフロは中々素敵で格好いいと思いますよ私は」

「ブーイ…!」

「ほらデンジ!俺のアフロを分かってくれる奴がいるじゃないか!見ろ!黒いイーブイも俺のアフロ見て目ェ輝かせて………







―――――………、え?」

「あー、この子って面白いものに目がないんだよねー。好奇心旺盛なこの子の次のターゲットは貴方のアフロさんかぁ〜、みたいなー」






あはっ
















ちゃっかり会話に紛れていた





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