「そう言えばレン」 『あ?なんだカツラ』 「ミリ君にちゃんと連絡したかい?」 『は?連絡?………………あ』 『『…………』』 「レンお前ミリ姫に連絡してなかったのか!?」 「うわっミリちゃん可哀相に…レン、君はそれでもミリちゃんの彼氏?そんな薄情な彼氏に大切な妹を渡せないよ!」 「電話先のミリ君、寂しそうにしてたよ。聞けばずっと連絡待っていたと言っていた。…まぁそっちが忙しくしていたならしょうがないけど、やはりミリ君に連絡は入れておくべきだと私は思うんだが」 『(…遠回しに責めてる…)』 『………、今からミリに連絡を…』 「あぁ、それは無理だ。悲しい事に彼女今ポケギア持参していない。多分…シロガネヤマに生息しているリングマに踏みつぶされているんじゃないかな?」 「「『『(何故にシロガネヤマ…!?)』』」」 お空にキラーンしましたから (それから暫くレンは罪悪感と後悔の心中に苦しむ事となる) ―――――――― ―――――― ―――― ―― 海の波を掻き分けた船は多くの乗客を乗せて無事役目を終えた。カントーから出航された船が無事にナギサシティの港に着港したのだ 時刻は午後の二時。少し肌寒くも過ごしやすい気候。空は来客を歓迎する様にキャモメが飛び交っている。着港した船から伸びる階段に続々と多くの来客が降りて行く。小さな子供を連れた家族、若いトレーナー、高齢者など様々な世代の人達が船を降り、楽しそうにナギサの土地に足を踏んだ。乗客の殆どがスズラン大会を目的とていて、「スズラン大会キター!」や「イケメン狩りじゃああああッ!」など、そんな声がちらほらと上がる 「お待ちくださいお客様」 「――――……はい?」 船のウエイターが一人の乗客を呼び止めた 一人の女が振り返り、ツインテールに上げられた漆黒の髪がふわりと靡いた。彼女は船と港を繋ぐ階段を降りようとしていた。足下にいるイーブイ達も、いざ階段を踏もう!と片足を上げている状態でウエイターを見上げた 「――…何かありましたか?」 「申し訳ございません。お客様にお会いしたい方が先日こちらに連絡をして頂きまして、」 「私に?」 「はい。時間が宜しければ是非お会いになってくれたらと思いまして」 「はぁ…?」 「ブイー?」 「ブイブイ」 「港で待っていると言っておりましたので多分もう港に着いていられるかと…」 「フォオオオオ!キタァアアアイケメンが三人!イケメンが三人いるよリッちゃん!初っ端からイケメンが拝めたよリッちゃん!いざ!イケメン狩り!」 「するな。そしてアフロを除外するな。可哀相だろアフロが。アンタの言葉でイケメン言われないアフロが除外されると一番傷つくんだぞ」 「お前の言葉が一番俺を傷つけてんの分かってんのか!?」 「停電王子痺れるナギサのスターニート☆デンジ覚悟ぉおおお(ドガッ!)グハッ!」 「はいはいイケメン狩りはまた後日にしましょうねーでは停電王子痺れるナギサのスターニートデンジさんその他イケメン諸々プラスアフロの皆様失礼しましたー」 「プラスアフロって何だよ俺はオマケじゃねぇぞコラァアアアアッ!!!!」 「オーバはどうでもいいが俺はニートなんかじゃねぇ!」 「「そこ!?」」 「あの子達面白いわねー」 「…えーっと、その方々は…あの人達ですか?」 「はい、あの方々です」 女の先、港を繋ぐ階段の先に声の主達がいた 男性四人に女性一人、その集団に飛び掛からんと意気揚々とする女の子と彼女の暴走を止めズルズルと引きずっていく女の子の二人が視線の先にいた。エリートトレーナーらしき格好をしているからそういうトレーナーなのだろう。「あーれぇぇぇぇ」と女の子が襟元掴まれズルズルと引きずられて、男性のうち二人が声をあらげ、女性がケラケラと笑い…なんか、とてもシュールだ あの女の子達が去って行った、と言う事は残されたあの五人が女に会いたいと言って待っていた人達で。ウエイターは爽やかな笑顔で一礼し、その場を退いた 「ブイブイー?」 「ブイー?」 「……………いやいや、知らない以前にあの人達ジムリーダーやチャンピオンじゃん!私知らないよ会った事ないよ何で名指し!?え!私何かしちゃったの!? 「!!!!、ブーイVvv」 「うんそうだね白亜ちゃん気持ちはよーく、よーく分かるよ?イケメンでしょ?イケメンだよね、えぇそりゃもうイケメンと美人さんが何で私の目の前にいるかさっぱーり分からないよね。何々あの人達が私に用?は?え、なにこれ夢?夢なの?」 「ブーーイVvv!!」 「Σブイ!?ブーイ!」 「え、Σちょっとぉぉぉぉ!?ははははは白亜ちゃんアンタ何しちゃってんの!?いくらイケメンだからってそんな、ちょ、黒恋まで追い掛けなくていいからぁぁぁぁぁ…!」 ※全て小声でお送りしました → |