北東西南地方リーグ集会を終えた、次の日

此所、シンオウ地方リーグ協会では






「クチバの港からだと、海流の事もあるから到着するのは約二日程掛かる。問い合わせてみたがクチバから出港された船はナギサシティの港に到着する予定らしい。詳しい時間までは天候や船の状況を見てからじゃないと分からないと言っていたが…もし順調に港に着くなら、明日の14時だって言っていた」

「ならその日その時間に待ち伏せして、降りて来た所を狙いましょう」








リーグ協会の休憩室


そこにはシンオウチャンピオンのシロナとナギサジムリーダーのデンジを始め、四天王ゴウキを除いた四天王とジムリーダー達が揃っていた








「僕が行こう、ゲンと一緒に。僕らなら手が空いている」

「私も、って言いたい所だけど…こっちはカントーからはるばるリーグ会長の方がお見えになるから出向かいしないと…」

「シロナさん、その方も同じ船に乗っているそうですよ。クチバ発に乗ったという情報が来ていましたから、一緒にお二人を出迎える事が出来ますよ」

「あら本当?ゴヨウそれナイス!でも私、会長をお出迎えする事が先決だから…後の事はダイゴに任せたわ」

「分かった。任せてくれ」








船にいる乗客の殆どは近々開催されるシンオウリーグスズラン大会を観戦したいと集った者達が多く乗り込んでいる

そこに乗り込んでいる乗客の中には聖燐の舞姫の他にもリーグ大会には欠かせない会長の姿もある。会長は大会の主催者でもある為、大会の設備の調整も兼ねてわざわざこちらに足を運んでもらう事になっている

偶然だか何だか分からないが、一緒に聖燐の舞姫を連れ戻したいと思うシロナには好都合。自分は会長をお出迎えしなくちゃいけないが、一目でもいいから聖燐の舞姫の姿をこの目で見ておきたい







「俺も行かせてもらう。ナギサシティに着くならナギサジムリーダーの俺が行かないとな」

「俺もナギサ出身としちゃ行かねーとな!それに俺達は艦長と顔見知りなんでな、色々と融通利かしてくれるはずだぜ?」






シンオウ着の便の殆どの船はシンオウが経営している。カントーでもアサギでも、船は違ってもシンオウが管理を行っている

勿論ナギサ着の船はナギサの港で勤め、しかも艦長自らが船に乗っている。話に聞く限り、ナギサ出身のデンジとオーバは艦長によくお世話になっていたと見受ける。融通が聞くとなればそれほど仲が良いのだろう








「他はどうすんだ?」

「私はリーグにいます。こちらはこちらで大会の準備を手伝う事になっていますので。同伴出来ないのが残念ですが…その間、彼女の借家を手配しておきます」

「借家なら良い場所を知っている。リゾートエリアの別荘を使ってほしい。あの別荘、僕のだから」

「「「別荘!?」」」

「そうだね…彼女にプレゼントしてもいいね。大丈夫、買ったっきり使ってないし、もう使わないから」

「か、金持ちの考えてる事よくわっかんねぇ…!つーか勿体ねぇ!」








ダイゴは通称【ストーンゲッター】

珍しい石を捜す事を趣味としている

元々でシンオウの石を捜すつもりで別荘を買ったはいいが、チャンピオンの仕事が思う様に多く、それから石を捜す時には盲目の聖蝶姫を思い出して――…と、結局買ったっきり使わなくなってしまい、正直言って困っていた

彼女に使ってもらえるなら万々歳!と、彼女らしい家具でも用意してあげようかと笑うダイゴを回りの皆は戦慄をする←








「僕の方もアイドルのお仕事入っちゃっているので…ハァァァァァ…何でこんな時に仕事が…」

「ジムリーダーの方々はどうなさいますか?」

「私達の方はジムに戻ります。私達も彼女の方に行きたいのが本音だが、やはりジムリーダーという責務がある。…いくら休みをもらえたとはいえ、自分の町からナギサまで行き行きするのはキツいものがある」






シンオウのリーダー代表でもあるトウガンが言えば、他の皆は残念そうにうなだれた

あちらが二日間休みを貰えていると同じで、こちらも休暇を貰っている。けれど休暇を貰っても好き勝手出来るとは限らない。自由は得られるけど、いつ何があるか分からない

それにトウガンが言う通りナギサを行き行きするのが大変なのだ。ミオシティやキッサキシティなど遠くて困る。テレポートとか覚えているポケモンがいればいい話だけど、生憎そんなポケモンはゴヨウ以外持ち合わせていない









「ならナギサの港に行くのは私とダイゴとデンジとオーバ、それからゲンの五人ね」

「なんだかシロナさんとダイゴさんが二人いちゃえば鬼に金棒の様な…鬼ごっこだったら絶対に逃げられない鬼みたいな」

「何だかこのメンツ…先輩と最も接点があった人達が勢揃いですね」

「「「「!」」」」








ヒョウタの言う通りだ

四人は顔を見合わせる

此所にいる全員は、互いに自分と盲目の聖蝶姫の関係は話済みだ。惚気話と言ってもいいくらいに

デンジとオーバは盲目の聖蝶姫がシンオウに初めて来た時から親友として、シロナはライバルであり親友で、ダイゴは師匠でもあり親友…つまり彼ら四人全員彼女の親友になるのだ







「あー…そうだな」

「これ、偶然か?」

「どうでしょうね。でも…悪くないわね」

「あぁ、そうだね」







嗚呼、あの頃が懐かしい


彼女が行方不明になって、こうして全員と対面した時、自分が一番仲が良かったと乱闘騒ぎになるほど言い合っていた、あの頃を


最終的には自分達の最強ポケモンを繰り広げた無差別殺人事件以上のバトルを繰り広げられた時は流石に幹部長の怒りの鉄拳が落ちたが←








「そうと決まれば早速ゲンに連絡を入れに行くよ」

「んじゃ俺達はナギサに戻って艦長に連絡してみるぜ。デンジ、行くぜ」

「あぁ」

「それじゃ一旦全員解散よ。疲れている所悪かったわ。家に帰ってゆっくり休んで頂戴」

「「「「はい!」」」」













出迎えは、明日の14時





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