「そっか、このニビジムは弟のジロウ君が継いでジムリーダーをやっていたんですね」

「ジロウはトレーナーの実力はあるけど職務はまだまだだ。とりあえず親父を引き止めてジロウはバトル、親父は職務をやらせていたんですが…」

「そのお父さんがぎっくり腰、ですか…でもぎっくり腰治って良かったですね」

「はい…でも自分の親父ってアレだから……お袋と一緒に、ほら、旅行に行ってしまうし、ジム勝手に改装するし…落ち着いても結局自分が此所に居なくちゃ弟達のご飯も用意出来ないから………ハハッ」

「(うわっ…)」

「でも、自分は新たに夢を改めたんです。ブリーダーを生かして、ポケモンドクターを目指そうと思っているんです。職務と併用は大変ですが、落ち着いて親父が帰って来たら本格的に勉強をしようと思ってます」

「ポケモンドクター!素晴らしい夢ですね!タケシさんならなれますよポケモンドクター!応援します、タケシさん。頑張って下さいね」

「はい!ありがとうございますミリさん!












そしてゆくゆくは自分がポケモンドクターになった際には是非ミリさんのポケモンを診察し、あわよくばミリさんと一緒に白衣のホワイトロードをa…」




ドスゥッ!!!!




「い゛いぃぃい!!!???」

「ケッ…」

「ギャアアアアッ!ちょっとタケシさぁああああん!?」





ニビジムは相変わらず平和だった

―――――――――
――――――
―――









『――――…それではこれより午後1時から、「北東西南地方リーグ集会」を始めたいと思います』









時間はあっという間に過ぎていき、待ちに待った「北東西南地方リーグ集会」が始まった


さっき、皆で集まっていた会議室で、俺達は大きな大画面を前に席に着いていた。休憩前まで縦列対面状態にしてあったのを、映像を見やすくする為に横三列にしてある。勿論俺は戦闘の席にいて、左右にはカツラさんとマツバさんが座っている。後ろはカントーとジョウトのジムリーダーが誰か分かりやすく座ってもらっているから、向こうの人達から見れば大丈夫なはずだ

手元には俺達カントーとジョウトが纏めた資料と向こうから送られた資料でいっぱいいっぱいだ。休憩中、リーグの人が向こうから送られてきた資料を頑張ってホチキスで止めていたのを見ていたけど…こりゃ凄いな(げんなり







『―――その前に、こちらからはそちらの姿は良く見えています。そちらからはこちらの姿はしっかりと映っていますか?』

「あぁ、大丈夫だ。しかと映し出されている」

『それは良かった。ありがとうございます』






この会議室は最先端のテレビを使用されていて、テレビの上には小さいけどカメラが付けられている。つまり、センターにある映像付電話みたいなものらしい。この集会の為にホウエンのデボンコーポレーションにお願いした、とカツラさんからチラリと話は聞いた(よくやるよなー

綺麗な映像で映し出されているもんだからあっちのジムリーダー達が、まるで目の前に座っている風に見えてくる。これが噂の地デジ化かぁ…俺の家にも地デジ耐用テレビ欲しい←






『集会を行なう前に、まずはお互いに自己紹介を行ないましょう。私の名前はゴヨウ、シンオウリーグ四天王の一人でもあり、この集会の司会進行役を勤めさせて頂きます。どうか宜しくお願いします』







スーツ姿に眼鏡を付けている男の人、ゴヨウさんがこっちに一礼をしてきた

つられて俺も恐縮しながら一礼

うん大丈夫、他の皆も一礼している←

後ろから「あぁ、あのゴヨウさんが司会を…」って小さな声で誰かが言っているのが聞こえる。聞けば互いの名前や噂は聞いても顔はあまり知らないみたいで、特集雑誌も地方だけ発売とかされているから知りたくても知れなかったらしい

色々あるんだなー







『ではこちらから順々に自己紹介をお願いします―――オーバ、』

『おう!俺の名はオーバだ!ゴヨウさんと同じ四天王の一人で炎ポケモンを専門としているぜ!もし機会があったら俺と燃える様な熱いバトルをしようぜ!』






真っ赤な燃える爆発アフロ…もといオーバさん

今度俺この人にバトル申し込もっかなー。こういう人とバトルなら絶対楽しそうだ

隣りのカツラさんが「若いのには負けられないね」って言っていたのが聞こえた(敢えて深くは聞かない






『続きましては僕、リョウです!二人と同じでこーみえて四天王の一人、虫ポケモン使いです!特にイモムシポケモン大好きでーす!今度僕と一緒に虫ポケモンを語りましょう!―――そしてツクシ君久しぶりー!元気だったー!?』

「リョウ君久しぶりー!会いたかったよー!」

『え。お前ら知り合い?』

『はい!彼は僕の虫ポケモンを愛する仲間なんですよ!羨ましいでしょー!』

『あーはいはいそうですねー』

『軽っ!』






俺とグリーンと同年代っぽい少年、リョウ

どうやらジョウトジムリーダーのツクシ(確かゴールドの奴、ツクシを女と見間違えたんだっけ?)と知り合いらしい

後ろで「知り合いで文通しているんですよ!」「文通とか古風だな」「イモムシポケモンラブです!」「いやー!虫ポケモンいやー!」と、こっちもこっちで会話が聞こえる

そういえばミリの奴、イモムシポケモン嫌いだったっけ?(ヒダワタウンで悲鳴が何度か聞こえてきたし…







『それから次の人は…この人!』

『―――四天王の一人、ゴウキ。改めて宜しく頼む、カントーとジョウトのジムリーダー達よ』

『ちょっとゴウキさん、もうちょっと言う事はないんですか?…てか改めてって何?え?』







どっかで見た事ある様な顔に、どっかで聞いた事ある様な名前……


高く縛った黒髪、鋭い灰色の瞳

首に巻くバンダナと手袋は茶色

如何にもオーラが凄そうなこの人を、俺は知っている





………って、もしやこの人って!








「「「「「「「ええぇええええーーーーーーーッッッッ!!!??」」」」」」」









カツラさん以外の皆が驚いた





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